第10話

ー過去ー
821
2020/06/06 13:42
その日の放課後、私達は蓮くんの
家へと向かっていた

樹)あ、わり学校に財布忘れた、

貴)ありゃ取りに行ってきたら?

樹)大丈夫か?

蓮)大丈夫だよ
俺もいるから

樹)遅れるけどちゃんと行くからな

蓮)ありがとう

樹)おう!

樹)あなたも無理すんなよ?

貴)うん!

樹とわかれてからしばらくして
蓮くんの家に着いた

蓮)大丈夫?

貴)大丈夫だよ

蓮)なぁ、やっぱり、

貴)蓮くん、大丈夫だよ
行こう?

蓮)わかった、

玄関のドアが開き中に入る
この前来た時と変わらない普通の家
でも、1つ違うのはお酒とタバコの
匂いが充満していたこと

リビングに行くとそこには
蓮くんのお母さんがいた

母)ねぇ、洗濯なんでしてなかったの

どこかイライラしたような声で
こちらを向かずに話し始めた

母)お金も稼がないアンタが
このくらいのこともできないの?

母)ほんとに役に立たないわね

母)ねぇ、なに無視してる訳?

そこで初めてこちらを向くと
お母さんは私の顔を見て驚いた顔をした

貴)はじめまして、
蓮くんとお付き合いさせていただいてます
山本あなたって言います

母)...ふ〜ん、あんたに彼女ね笑

貴)蓮くんに虐待をしてるんですよね

私がそう言うとニヤニヤしていた顔が
すっと怖い顔になった

母)なに、言ったわけ?

蓮)ッッ、

母)へ〜、私を悪者にしたいわけか笑

蓮)その、

貴)蓮くんに近寄らないでください

母)は?

お母さんは私を強く睨み
私もお母さんを強く睨み返した

母)1年くらい一緒にいるからって
何様のつもりなの?

母)あんたに何がわかるっていうのよ笑

母)そもそもアンタがバラすから
こんな事になったのよ?
ほんとにいつもいつも、
迷惑しかかけないんだから、

そう言うとお母さんは近くにあった
花瓶を手に取ると蓮くんに向かって
花瓶を投げつけた

貴)蓮くん、!危ない!

ドンっと私が蓮くんを庇うように押すと
よろけてそのまま壁に頭を打ち
気を失ってしまった

そして、花瓶は壁にあたり
大きな音を立てて割れていた

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