「「個性把握…テストぉ!?」」
(……いや、個性使えないんですけど)
入学式もガイダンスもなしでするのが個性把握テストて。
色々衝撃的すぎて、俺の頭はもうキャパオーバー寸前だ。
オレがひとり呆然とする中で、先生と生徒の掛け合いが続く。
ようは、中学の時まで行っていた個性禁止の体力テストを、思う存分・・・・個性を使ってする、というわけだ。
気だるげな相澤先生が、目つきの悪い金髪くんに声をかける。
どうやらボール投げの手本を見せるようだ。
「…死ねえ!!!」
およそヒーロー志望とは思えないセリフを吐きながら投げ、記録は705.2m。
(…普通にすげえ)
「なんだこれ!すげー面白そう・・・・!」
誰かのその一言で、先生のスイッチが入った。
おかげで、最下位は除籍処分である。
オレは個性を使えない。
…初日からどでかい受難だ。
このテスト…どう攻略する?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。