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第5話

憧れスパークル5
じりりりりりり、かちゃ。

鳴り始めた女っ気のない目覚まし時計を止める。

朝から最悪の夢を見てしまった。



(…なんで、今日)


私がーーーいや、オレが、家を出るきっかけになった日の夢だった。

今でも、たまにこうして夢を見てしまうのだ。


そいや、と気合を入れて起き上がり、ジャージに袖を通す。





ーーーー今日は、オレの大事な大事な、受験日だ。

ヒーローになるために。

今日から、始まるんだ。









一人暮らしなので、炊事掃除洗濯は自分で済ませる。

朝ごはんを手際よく作ってしまい、

夢で出てきたような食卓をひとりで囲んだ。

『…いただきます』

個性が個性なので、一人暮らしで困ったことは一度もない。

炊きたてのご飯を咀嚼して、ゆっくりと飲み込む。

早めに起きたので、入試とはいえ少しゆっくりできそうだ。









最後に、自分を戒めようと思い立った。


鏡を見ると、ブカブカのジャージにハーフパンツ。

手首にはリストバンドを巻いた、オレがいた。

どこからどう見ても、『男の子』。




もう一度、ジャージを脱いで自分を見た。


貧しいの域を超えた胸に巻いた、布。サラシ。

布に手を当てて、ゆっくりと撫でた。


…もう、後戻りはできない。




〝私〟はこれから、男として生きていくのだ。