-2日目の朝-
慌ただしく準備を済ませ
家を出る莉月。
家の前には退屈そうに待つ涼麻。
4人は何時もの様に待ち合わせ
通い慣れたコンビニでおやつと飲み物を
購入すれば学校へと向かう。
笑い話で盛り上がりながら学校を目前にした時
4人の視線は1点に集中する。
正門前にしゃがみ込む1人の生徒。空羽弥。
いつもなら学校にギリギリで到着する彼。
其のくせ急ぐ様子もなく教室に入るそんな彼が
なぜこの時間に……?
4人の足が止まる。
先に口を開いたのは杏果だった。
鈴音と杏果の話を耳に少々不安を
抱えながらも歩き出す莉月。
4人は歩みを進め会話もなく空羽弥の前を
スッと通り過ぎる。
後方からの呼び掛けに再び4人の足が止まる。
気づかない筈がない。
全神経を空羽弥に注ぎ歩いていた。
一斉に振り返る。
そう言い捨てれば鞄を肩に掛け
空羽弥は教室へと歩みを進める。
歩みを進める空羽弥を追う莉月を
驚くように見つめる3人。
パタパタ…………キュッ……。
追いつきブレザーの裾を握る莉月に
体制を崩す空羽弥。
微笑浮かべ空羽弥はまた歩み進める。
極度の緊張だったのか莉月はそのまま
しゃがみ込む。
心配した3人は駆けつけ
4人並べばまた教室へ向かった。
-to be continued-
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。