あなたside
コンコン
え…
どうして…シルク達のことは…覚えてる…のに…
キュ
私はシルクの服を掴んで、
…。
ガラガラガラ…
モトキ…が…私のこと…知らない…
私の事だけ…知らない…
そ…んな…
ギュ
突然、目の前が真っ暗になった。
シルクが…ハグ…
シルクのにおい…落ち着くようなかおり…
そして私は泣きじゃくった。
家に帰ってからも…お風呂に入ってる時も、布団に潜り込んでからも…
それから一週間ぐらいして
正直に言うと、行きたくなかった。
モトキとあっても、どうせ覚えてないだろう。そう分かってても心のどっかで期待している私がいるから…モトキとあった時、きっと絶望とか、虚しさとかが、きっとすごい勢いで私の心に流れ込んで来そうだから。
でも、シルクと一緒なら
シルクがいたら乗り越えていけるかもしれない
行く価値は、無くはない。
だから私はあえて、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!