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第3話

名前を。
なんやかんやで、天使と同居する事になった。なんやかんやと言うよりは、押し切られた感じだけれども…
まず同居するにあたって、この天使とコンタクトを取る事にしよう。どれくらいかはまだ分からないけど、同じ屋根の下で生活するのだ。相手を知らないのでは始まらない。俺は天使を居間に通して、適当にコーヒーを出すと話を始めた。
「え、これ飲んでいいの?」
「あー、お前は飲まなくてもいいのか。まぁ出しちゃったし、飲んでもいいよ。」
「ラッキー、やった。」
天使は目をキラキラさせてコーヒーを啜ると、苦ーいと顔を顰めた。
「そう言えば、お前の名前は…?さっきからずっと天使かお前としか呼んでない気がする。」
「名前…」
カップを丁寧に置いた彼は少し困ったように眉を下げる。
「無いんだ…」
「無いのか?」
「うん、生まれた記憶もないし。知ってたのは、俺は透を助けるために来たんだってことだけ。」
「の割には常識とか…いや、そんなないか。」
失礼じゃない!?と目を丸くする天使。実際ないんだから失礼もどうもこうもない。
「でも名前がないのは厄介だな…ずっとお前って呼ぶのもあれだろ?」
「か、考えてくれるの!?」
「俺が呼びづらいからな。」
「どうしよっかな〜俺も考える!」
少し考えてみるも、なにもいいのが出ない。
「白いから白じゃ駄目か…?」
「犬みたい…」
今更ながら、己のネーミングセンスに失望する。ほんとになんもねぇな。俺。

そこから10分くらい熟考して、やっとマシなのができた。
「なぁ、朝陽はどうだ?こう書いて、あさひ。お前、陽だまりみたいに笑うからさ。」
「すっげぇいい名前!てか透、俺の事そうやって見てくれるんだね〜」
ニヤニヤしながらこちらを見られて、カチンとくる。
「そうは思ってない。嫌なら白でもいいんだぞ?」
「うっわそれだけはやめて、朝陽がいい…」
嫌そうにする天使。いや、朝陽。我ながらいい名前だと思う。知らないけど。
「じゃあ、次は俺が質問するばんな!」
特に困ることもないので、承諾する。
「じゃあじゃあ、どうして俺と付き合おうと思ったの?」
「げっ…」
まさかそう来るとは思わなかった。こんな頭ゆるふわみたいなやつの事だし、「誕生日いつ〜?」とか「好きな食べ物〜」とかだと思ってたのに…
「だってさ、俺のこと嫌ってるみたいだったし。それともほんとに一目惚れって感じ?」
「…違う。」
変な勘違いをされても困る。ここは潔く、真実を言わなければ。
「俺は別に好きな人が居る。」
「えっ、誰誰〜!?」
「お前は知らないだろうけど、窪塚って人だ。俺の勤めてる会社の同僚。」
「へぇ〜…」
朝陽は何故か黙って、その紅梅色を細めた。
一年近く片思いし続けている窪塚。背が高く、少し明るくした髪にちょっと垂れ気味の優しそうな目。柔らかい物腰と穏やかな物言いに惚れて、そこからずっとだ。
と、朝陽がこちらをずっと見ていることに気づいた。惚気ていると思われたらしい。顔が赤くなるのを感じる。
「な、なんだよ…///」
「いや、別に?一途だな〜と思って。」
「え、俺、片思いしてるなんて言ったか…?」
「天使に隠し事はなーし!顔に出てるよ。ほんとは考えてる事が分かったらいいんだけどな〜流石にそれは無理だった。」
人差し指を顔に指され、ムカつく。
舐め腐った面を手で覆い隠して目を逸らし、コーヒーカップを片付けた。
「と言うわけで、今日からお前は朝陽だ。いいな?迷惑かけるなよ?」
はーい、とのんびり返事する朝陽。こいつとの同棲なんて、やっぱり不安でしかない。 

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ども、短いけど出しました!
このシリーズ、これくらいの短さで小出しにしていこうと思います。
二次創作に比べるといいねや閲覧数が少ないのですが、頑張って参ります!!!