朝起きるとメッセージが届いてた
送り主は紫耀くん
すごく心配してる内容で
過保護な子どもになった気分になって少し笑ってしまった
元気?
大丈夫?
頑張ろうな
応援してるから
同じようなことばっかり書いてあるトークを読んで
声に出して笑ってしまった
これを真面目な顔して打ってるんだろうなとか
色んな妄想が頭の中で膨らんだ
わたしはたった一言
ありがとう、を送った
今日からまた
わたしもがんばらないと。
ありがとう、か―
届いた返信と廉を交互に見ながら
少し複雑な気持ちになった
きっとまた2人で歩ける
幸せになれるだろう
ほんとに?
それでいいの?—
ずっと目覚ましが鳴り響いてるのに全然起きない廉を
軽く蹴って起こしてみた
さっきからうるさいしそろそろ起きろ
「 んーー 」
背伸びして目をこする廉
通知チェックをしてやっぱり連絡がなくて落ち込む廉に
充電器を投げて渡してやる
無言で充電器を挿して部屋を出る
自由なやつと思いながら用意をしていると
バタバタと廊下を走る音がして
リビングのドアが勢いよく開かれた
「 紫耀ん家じゃん! 」
今更なに言ってんのこいつ
「 自分の家かと思ってた 」
まじでバカみてー。
ほら1回帰るでしょ?
早く準備しろって急かして帰らせた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!