愛なんて、あるわけない。
俺が1番よくわかってる。
友達と呼べる友達もおらず、恋人になっても浮気されて別れる。
親でさえ、育児をほうって出ていった。
ギリギリの生活をしながらも、何とか高校、大学に入れた。
大学は、学費免除のために死ぬ気で勉強して特待生で合格した。
せめて大学では、楽しくいようと、『本当の自分』を隠した。
本当の俺は汚いから、きっとみんな、俺を嫌うから。
汚いとこは隠して、綺麗な俺だけを見せた。
これは、正しいのかな。
俺がやってる事、間違いじゃないのかな。
誰も答えるはずがないのに、俺はずっと問うていた。
―人物紹介―
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!