_Syota/side
そしてストーカーが何もしてこなくて安心していたある日。
悲劇は突然起こった。
俺がコンビニで買い物をしていた時、どこかあなたの声が聞こえた気がした。
嫌な予感がして、外に出てみるとあなたがストーカーに詰め寄られていた。
よく聞いた事のある声だった。
…信じたくなかった。
俺の事を『しょっぴー』と呼ぶのは
山内だけだった。
そういうと、山内は変装をやめた。
どうやらあなたが優しくしてくれたのを好意だと勘違いし、山内の事が好きだと。そう強く思ったらしい。
いくら山内でも。
俺の…俺の大切なあなたを傷つけた事は許さない。
そうして、山内は警察に連行されていった。
…また俺は守れなかった。
どうしていつもこうなのか。
いつも肝心な時に俺はあなたを守れないのか。
『そんな事ないよ。』
とあなたは薄い笑みを顔に貼り付け俺を見る。
…こんな時だけど、俺はやっと気づいたこの気持ちをあなたに伝えたいと思った。
これからもあなたを守りたい。
俺は、あなたが好きだ。
『好き』の2文字を言うのにはこんなにも勇気がいるんだな、、
そう告げると目に大量の涙を浮かべ、
『私も好き、大好き』
と伝えてくれた。
本当に可愛くて愛おしいな。
やっと、本当のカップルになれたんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。