あすか「灰谷先生、REBOA準備して。それとRCC、RBC、MTP至急で頼んで。」
灰谷「はい。」
あすか「レベルワンの血液FFPにする。」
名取「俺、変えます。」
あすか「サテンスキー。」
雪村「はい。」
…カチカチカチ…
横峯「出血止まった?」
あすか「まだ…。」
横峯「え?」
あすか「肺挫傷で肺からも出血してる。ECMOやろう。」
雪村「はい。」
そしてその患者は一命を取り止めた。
あすかはここ最近ずっと翔北にいて着替えが無くなったため取りに行くついでに久しぶりに家に帰ることにした。
しかし、30分後…。
あすか「緊張性気胸と心タンポナーデか…。挿管するので喉頭鏡と挿管チューブ下さい。
救急「はい。」
あすか「よし。…脱気するのでメスとペアン下さい。」
救急「はい。…は、早い…。」
あすか「胸腔ドレーン下さい。それと心嚢穿刺するのでシリンジも…。」
救急「はい。…な、何者なんだ…?」
あすか「ひ、引けない……。……開胸します。」
救急「え……。」
あすか「心膜が血液でパンパン…。メス。」
救急「はい。」
あすか「バルーンカテーテル下さい。と生食10ccも準備してください。」
救急「はい。えーと……バルーンカテーテル……。
あすか「尿道カテーテル。」
救急「はい。」
そこで翔北の電話がなった。
白石「はい。翔北救命センター。」
救急「受け入れお願いします。」
白石「分かりました。受け入れます。」
緋山「……緊張性気胸と心タンポナーデか…。」
白石「それがもう脱気してるって。あと今心嚢穿刺したけど引けなくて、開胸したらしい……。」
藍沢「一体誰がその治療をしてるんだ?」
藤川「まさか、処置してるのあすかちゃんだったりしてな……。」
冴島「あすかならさっき帰ったばっかりよ?」
橘「そろそろ来るぞ。」
三井「さあ、準備急ごう。」
皆「はい。」
そして救急車が来て、みんなびっくり&やっぱりというような表情をしていた。
あすか「今は安定しています。」
藤川「あすかちゃん、翔北に逆戻りって感じだな。」
冴島「藤川先生、余計なこと言わない。」
藤川「は、はい。」
緋山「でもさ~、あすか先生良くやるよね…。なんか藍沢みたい…。」
横峯「確かに。」
藍沢「…………。」
名取「てかさ……。やっぱり何でもない……。」
灰谷「あすか先生、疲れたんじゃない?」
あすか「う、うん…。」
三井「あすか先生、今度こそ帰りな。」
橘「そうだな。お疲れ様。」
あすか「はい、帰ります。お疲れ様でした。」
そういえば右が赤く左が青くなるあすかの目。
オッドアイとバイアイは気がつくと色が変わらなくなっていた。
だが、未だにCTやMRIみたいに透視は出来るし、未来予知も出来る。
だから、あすかはこれから先もずっと医者として患者の命を……患者の未来永劫を守って行くと決めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!