藤川「ここだよ。」
あすか「藤川先生、乗せてくれてありがとうございます。」
藤川「いえいえ。」
冴島「さあ、あすか入ろう。」
あすか「うん。」
藤川「今日の主役が来たぞ。」
??「あら、いらっしゃ~い。」
あすか「こんばんは。」
緋山「あ、来た来た。こっち~。」
??「あら、かわいい子じゃない?お名前は?」
あすか「冴島あすかです。」
??「私は、メリージェーン洋子。宜しく。」
あすか「えーーと……。」
白石「恒夫、困ってるでしょ。……この人は大山恒夫。私がフェローだった時の腸閉塞なのにケーキ食べた患者だよ。」
あすか「腸閉塞だったら絶食しないといけないのに……。」
洋子「この子、何歳?てかなんでそんなこと知ってるの?」
藍沢「あすかは15歳でフライトドクターだ。」
洋子「えーー、そうなの?」
冴島「そうよ。私の自慢の妹なの。」
洋子「妹?」
あすか「はい。20歳離れてますけど……。」
洋子「そうなのね。……さあさあ、お腹すいたでしょう?いっぱい食べなさい。」
あすか「はい。」
白石「こーさくー。」
緋山「恵、もう酔っぱらってる。」
藤川「そうみたいだな。」
あすか「ふふふ…。白石先生かわいい。」
灰谷「あすか~、一緒に飲も~。」
雪村「飲もうってあすかまだ未成年よ。」
横峯「俊平も酔っぱらってるから無理もないよ。」
名取「ハハハ……。」
あすか「……………。〈ある集まりを見ている〉」
冴島「あすか、どうした?」
あすか「うーん…。」
冴島「あすか。」
あすか「あの人、アルコール中毒になりかけてる。」
冴島「え?」
あすか「早く処置しないと死んじゃう。」
冴島「そうなの?……分かった。あすか言うなら。一男。」
藤川「ん?」
冴島さんはあすかが言ったことを藤川先生に伝えた。
藤川「じゃあ、救急車呼ぶよりも俺か藍沢の車のほうが早いかもな。」
藍沢「なんだ?」
藤川「あすかちゃんが……。」
藤川先生は冴島さんから聞いたことをそのまま藍沢先生に話した。
藍沢「アルコール中毒か。藤川の車は小さいし、俺の車なら簡単な救命器具がある。……ちょっと恵のこと見ててくれ。俺が連れて行く。」
あすか「私も行きます。」
藍沢「でも、あすかが主役なんだぞ。」
あすか「でも、この人オペしないと…。」
藍沢「は?アルコール中毒だぞ?なんでオペ?」
あすか「この人、アセトアルデヒドが分解出来ないんです。」
藍沢「肝硬変になってるのか?」
あすか「いえ、もう肝がんに進行してます。でも、まだ小さいので今オペをして取れば治ります。」
緋山「白石の代わりに指示出すけど………とりあえず、藍沢、あすか先生、その人連れて翔北に行って。……翔北には電話しておく。」
藍沢「ああ、頼んだ。」
あすか「お願いします。」
そして藍沢先生とあすかはその患者を連れ、翔北に向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。