……どこだココ。
僕はベッドで寝ていたはず。なのに今は制服を着て森の中にポツンだ。
と言った僕は水無月ジュン。15歳の女子高生だ。
とりあえず森を進むことにした僕。
しばらく歩いていると
叫ぶ声が聞こえた。振り返ると赤白ボーダーのシャツにオーバーオール、赤いニット帽で片手にシャベルを持った男が僕を指さしていた。
僕は全速力で走った。
地獄の鬼ごっこの開幕だ。
右も左も、上も下もわからない森の中を走る僕と、それを追うシャベルの人。
意味がわからない。突然森の中にいると思ったら我々国?
こちとら産まれも育ちも日本じゃい!!
ドンッ
誰かにぶつかって僕の足は止まった。
緑のパーカーのフードを深く被り、両脚にナイフを取りつけた男が立っていた。
シャベルの人が叫ぶので、僕は方向転換して走った。
捕まったらどうなるかわかったもんじゃない…!
しばらく走ると何かのトラップに引っかかり、逆さまに吊るされた。
そう、逆さまに。
ふざけんじゃねぇよ(泣)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!