_________ゲンが襲われた夜。
一通り、村の周辺を走り回って一息つく。
どうやら随分呪霊も増えた。しかも矛先
がこの村…というよりかは千空くんなので、
排除しなければ些か彼の身が心配なのだ。
夜中はみんな寝ているし。
こうやって一人でいられるのも…一番
この時間帯が楽だ。
怪我人がこんな夜中に何をしているんだか。
若干の呆れを見せつつ、ゲンのほうに
向き直る。何をしていたかは知らないが、
怪我人はさっさとベッドでおねんねして
くれないとこっちが困るってもんだ。
音の出し方も一般人とは違うはず。
まず歩き方から違うのに、足音なんて
殆どしない筈。なのにそれで起きるなんて…
もし本当だとするならば、とんだ聴力だ。
咳をして倒れかけたゲンを慌てて
支える。全く…よく動こうと思ったものだ。
礼を述べたあと、見つめてくるので
仕方なく答える。
散歩…ま、歩いてたのは変わらないし。
恐らく怪我した部分にキたのだろう、
声を上げるゲンを軽く叱る。
ほんっと何してんだこの人は…というか、
" どこの人 "って、…。
いや、そんな筈は…まだそんなに
ボロは出してない…と、思う。
え、そうだよね…?(
その言葉に、ピタリと身体が動かなく
なるのが分かった。
なんて返せばよいのだろう。でも、
その通りだった。
会いたい
会いたい
会いたい
逢いたい
もう、逢うことなんてできないけれど
「 私と一緒に、死んでくれるかい 」
_____あのとき、貴方はきっと優しいから、私に
こう言った。
でも
でもね
でもね、傑。私ね
貴方と一緒に、死にたかったよ。
" うん、死のう。 "
あの時、そう言えてれば
そう、言ってやれてれば
どれだけよかったんだろう。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!