数日後__
なんとか音柱さんの稽古を切り抜け、
今は恋柱さんの稽古だ。
霞柱さんの稽古はすぐに切り抜けた。
…だけど…
グイッ
…体は全然柔らかくないので
恋柱さんのこの稽古は地獄です。
途中、涙でてくる。
痛すぎて。
しばらくして、恋柱さんが台所から現れた。
そう言って恋柱さんは…
桜餅を500個ほど置いた。
…た、食べられるかな…、
それから、
恋柱さんと桜餅を食べながら色々と話した。
…こんなに女の人と話したのは初めてだな…。
恋柱さんには、信頼してもいい気がしたから、
過去のことを、話せるだけ話した。
恋柱さんは、真剣に聞いてくれた。
…自分の事のように、聞いてくれた。
気がつけば。
私は、泣いていた。
…凄く、嬉しかった。
自分のことを、分かってくれたから。
恋柱さんは、私と同じように涙を流してくれた。
…話して、良かったと思う。
心が少し軽くなったような気がして。
…少し、安心して。
私は、深い眠りについた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!