あれから、時は過ぎていった。
私は、ほぼ両腕がない状態で、
1人で生きることが出来ないから、
蝶屋敷でお世話になっている。
最近、炭治郎とカナヲちゃんが付き合ったらしい。
善逸と禰豆子ちゃんもらしい。
伊之助とアオイさんもいい感じのようだ。
皆、幸せそうで何よりだ。
…だけど。
あの日から、実弥さんを1度も見ていない。
いつもの和菓子屋さんに行っても、
川辺に行っても__。
…どこにも、居ないのだ。
…1度でいいから、また会いたい。
私を、変えてくれた人だから。
…でも、あの日から4年、か、
もしかしたら…なんて、物騒なことを考えてしまう。
…嫌、だな…、
あの日、
実弥さんが行ってしまうのを引き止めていれば、
こんな苦しい思いはせずに済んだのだろうか。
また、隣を歩くことが出来たのだろうか。
また、
味噌汁を作って、一緒に食べられたのだろうか。
…また、
くだらない話をして、笑い会えたのだろうか__。
あの時、私が引き止めてさえいれば__。
…そう、思わない日はない。
ほんと…、馬鹿だな、私…。
今更そんなこと思ったって_
仕方がないのに。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。