…まずい。
そろそろ日が落ちる。
それだけは避けないといけないのに___。
後,少しなんだ。
もう,屋敷が見えてきそうなんだ。
…歩け、もっと歩け…。
フラッ
…あれっ。
頭がぐらっと揺れた。
__そのまま私は。
バタッ
意識を、手放した。
━━━━🌪side━━━━━
…遅せェ。
どれだけ待ってもアイツが帰ってこねェ。
鴉には,ちゃんと生き残ったっていう報告を
受けたんだがなァ…。
…なんだか、嫌な予感がする。
ガラッ
俺は,屋敷の外に飛び出た。
━━━━━あなたside━━━━━
あなた…
あなた……!
…どこからか、声がする。
…でも今は。
そんなことどうでもいいくらい,疲れていた。
………あなた………!!!!
……疲れていた、はずなのに。
…音も匂いも、なにも感じたくないくらい、
…疲れていたはずなのに。
…私のことを呼ぶ声だけが、聞こえるんだ。
…誰が呼んでるのかは分からないけれど。
私は、ここだよ。
ここにいるよ_____。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。