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第5話

幼馴染み 1
621
2020/05/08 13:53

〜秀太side〜

とある昼休み。
男子1
なあなあ〜。このクラスの女子で1番誰がタイプ?
男子2
俺佐伯さん!
男子3
俺は平野さんかな〜
男子2
秀太は?
秀太
秀太
俺は……

誰だろうと考えて、頭に浮かぶのは…“幼馴染み”のあなた。
秀太
秀太
(…い、いや、あいつなわけねーし)

と、眉間に皺を寄せて考えていると
男子1
あ!!望月さん可愛くない!?
秀太
秀太
(そうだ、そんなわけない、だってあいつは全然女子っぽくねーし、男子にふつうに喧嘩売るし、めっちゃ飯食うし…。)
男子3
あ!俺もそれ思ってた!!
男子2
確かに可愛いよな〜
男子1
そういや秀太って望月さんと幼馴染みじゃなかったっけ?

不意に出た幼馴染みの名前に少し驚いたのも束の間、なぜか腹が立ってきた。
男子2
あんな可愛い子が幼馴染みとか羨ましー
男子1
なー
秀太
秀太
…別に、そういうんじゃねーし
男子3
秀太?
男子2
なんか怒ってる?
秀太
秀太
…怒ってねーし。腹減ってるだけだし
男子3
ぷっ、腹減って不機嫌とか子どもじゃん
男子1
飯買ってきたら?

本当はお腹なんて減っていないが、ここまできたらもう買いに行くしかない。
秀太
秀太
…うん

そして俺は購買へ向かった。
秀太
秀太
(…何で俺さっきあんなむかついたんだろ)

そんなことを思いながら歩いていると、購買に行くまでに通らなければいけない、告白スポットに来ていた。
秀太
秀太
(うわ…またカップルいるじゃん)

人影が見えたのでわざと見ないようにして歩いていくと、ふと聞き覚えのある声が聞こえた。
あなた

あの、ほんとにごめんなさい

秀太
秀太
え?

思わず振り返り人影のところを確認すると、さっき見えた人影があなたと、“イケメンだが遊び人”と有名な日高先輩だったことに気づいた。

秀太
秀太
(何であなたと日高先輩が?)

気になった俺は、その場に留まったまま耳をすます。
日高 光啓
日高 光啓
いーじゃん、あなたちゃん。俺ね、あなたちゃんみたいに気が強い子好きなんだよ

そう言って日高先輩はあなたの髪の毛をさらう。
秀太
秀太
(…っ!あいつ…、何触ってんだよ)

思わず止めに行こうかと思ったが、あなたが自ら「やめてください」と止めたのでやめることにした。
日高 光啓
日高 光啓
ふっ、そーゆー所好きだよ
秀太
秀太
(…あいつとことんむかつくな、そろそろ我慢できねえ)

俺は拳を握りしめ2人に近づいていくと、あなたが衝撃的なことを言った。
あなた

…この際はっきり言わせてもらいます!

あなた

私、好きな人がいるんです!

秀太
秀太
…え

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