第33話

様子が変…?
148
2020/12/05 13:21
会社に帰ってから





スマホにはるくんからの




着信があったことに気付いた



珍しいな。



〇〇INはともかく



電話をくれるのはいつも夜なのに





わたしはオフィスのフロアを出ると





すぐに、はるくんに折り返しの電話をした。
晴人
晴人
もしもし?
美麗
美麗
はるくん?美麗です。…なんか電話くれた?
晴人
晴人
…うん。
今お仕事中?
美麗
美麗
…ええ…。
今外回りから帰ってきたところだけど
晴人
晴人
… 外回り…
なんだかはるくんの声が




いつもよりトーンが低いような気がする
美麗
美麗
はるくん?…何かあったの??
晴人
晴人
ん、いや…。俺、明日の夜
予定空いてるから…
美麗に会いたい

はるくんから「会いたい」なんて言われて




一瞬でテンションが上がるわたし
美麗
美麗
わたしも…
晴人
晴人
……
美麗
美麗
わたしも、会いたい!

電話の向こうで




はるくんがクスッと笑ったのが聞こえた。
晴人
晴人
じゃあ…美麗の家に行ってもいい??
美麗
美麗
わたしの家?
晴人
晴人
そう。
美麗
美麗
いいけど…特に面白いものなんて
なんにもないわよ??
晴人
晴人
別に面白さ求めてる訳じゃないよ笑笑

会える…



明日はやっとはるくんに会えるんだ!




ダメだ。



顔が緩む…。





わたしはニヤつく自分のほっぺたを押さえながら




フロアに戻るために振り向くと




そこに伊吹さんがいた。
藍
…電話、彼氏?
美麗
美麗
…あ、…はい

少し気まずいなと思いながら




そう答えた。
藍
そ…かぁ笑…あ、でも!
美麗
美麗
…?
藍
俺、このまま負けたままじゃないからね
美麗
美麗
……それ、わたしに言っても
しょうがないんじゃないですか?
藍
…あ!そうか!笑笑
じゃあ、その彼氏とやらに
直接言いに行っちゃおうかな♪
美麗
美麗
ダメです!!

満面の笑みでそんなことを言ってきた。



伊吹さんが言うと本当に冗談に聞こえないって…
美麗
美麗
さ!仕事ですよ!仕事!


わたしは伊吹さんの体をクルリと反転させると




フロアに戻るため




伊吹さんの背中を押しながら歩き始めた。

プリ小説オーディオドラマ