第77話

最悪な遭遇
134
2021/01/01 16:14
空耳かな?って思ったけど





はるくんが振り返った。
晴人
晴人
っ、…!


険しい表情をしたはるくん。

やっぱり占い最下位は当たってたんだ。
琴子
琴子
やっぱりはるくんだぁ!久しぶり~!



そういえば…この女の子…





だいぶ前に居酒屋で…


はるくんと認識したその人は




可愛いワンピースをふりふりさせながら





こっちへやって来た。





直感で『はるくんと関係を持ってた人』だと感じた
晴人
晴人
…なに。

はるくんは





明らか、機嫌が悪くなってびっくりした。
琴子
琴子
久しぶりなんだからいいじゃん!
ちょっと喋ろうよ!
晴人
晴人
俺ら急いでんだけど。
琴子
琴子
ふ〜ん……この人、新しい彼女~?
めちゃくちゃ美人で顔ちっちゃぁ〜い!
美麗
美麗
…っ、
女の子がそう言いながら、わたしに近づいてきた。
晴人
晴人
ちょ、なに?
近よらないでくんない?
琴子
琴子
新しい彼女でしょ?
晴人
晴人
だったら?
琴子
琴子
なんか…あれだね笑
随分歳いってそうな…あ!ごめんなさ〜い!笑
晴人
晴人
…は?

女の子は、いやらしくニヤッとした
晴人
晴人
何が言いたい訳?
琴子
琴子
別に~?笑 
でも、はるくんプレッシャーじゃない?笑
晴人
晴人
なにが

女の子はとても楽しそうに笑ってる。





嫌な予感しかしないし





いつの間にかはるくんとわたしの手は離れていた。





はるくんの手をみつめてみても






気付いて貰えなくて、寂しい右手に泣きそうになる
琴子
琴子
女にはね、いろいろタイムリミットがあるんだよ?笑
結婚とか、出産とか!笑
はるくんみたいなバンドマンはもっと若い子の方が気軽に付き合えていいんじゃないの?
あ!たまには年上の人も試したかっんだね笑
晴人
晴人
お前な…、
琴子
琴子
どうせ、はるくんの事だからヤリまくってるんでしょ? 
美麗
美麗
っ…

わたしの時もそうだったもんね~って





女の子は可愛く笑う




この人はなにがしたいのか分からないし、





この人の話を聞いてるだけで苦しくなる
琴子
琴子
あなたも、もっと自分の年齢考えた方がいいですよっ?笑
見た感じそんなに若くなさそうだし笑


傷つくよね。




若者の無防備な言葉は。





いや、もうわざとに違いないけど。





わたしは涙がこぼれ落ちないように





必死に我慢した。
琴子
琴子
でね〜?笑
彼女さんの目の前で言うのもなんだけどさ!
もう一回わたしと…
晴人
晴人
あのさぁ〜、
琴子
琴子
えっ…?

女の子がまたニヤけて





なにかを言おうとしたとき、はるくんが遮った





声はすっごいだるそうな





なんというか、女の子はびびっていた。





普段のはるくんなら考えられない事だ。
晴人
晴人
なにかと思ったらそれだけ?
琴子
琴子
…は?だって事実でしょう?!
晴人
晴人
俺らは俺らで話し合った上で
ちゃんと付き合ってんだよ。
お前にとやかく言われる筋合いねーし。
琴子
琴子


だから俺は美麗とは別れるつもりはないから。





って、はるくんはわたしの手を握りながら





そう、言ってくれた。

美麗
美麗
…!
晴人
晴人
どれだけ揺すられようが、もうお前と戻るつもりなんてさらさら無いし。
琴子
琴子
なっ!
晴人
晴人
俺は…一生美麗のことしか見ない。

はるくんはそう言うと




わたしの手を引いて女の子の





横を通り過ぎた。
琴子
琴子
…あの女、絶対許さない

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