わたしは重い足をなんとか動かしながら
なんとか会社に着いた。
すると
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伊吹さんはわたしを会議室に連れて来た。
確かに、捻挫した足は
まだ完全には治りきってなかった。
わたしは伊吹さんの隣に座った。
伊吹さんが真剣な顔をして
わたしをまっすぐ見つめながら言った。
そう言って
わたしの手の上に自分の手を重ねてきた。
伊吹さんのその言葉で
涙がまた溢れ出す。
伊吹さんはいきなり立ち上がり
わたしの両腕を持って立たせて
わたしを優しく抱きしめた。
そして、伊吹さんがわたしの耳元で口を開いた。
伊吹さんはそう言って、
わたしをもっとキツく抱きしめた。
ここで、伊吹さんを好きになれたら
どんなにいいだろう…
だけど、…わたしの心は…
気持ちは…
わたしは伊吹さんの胸を押して
自分から引き離した。
わたしは、精一杯笑顔を作り
会議室から出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。