第30話

食事会
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2020/12/05 07:17
久々にはるくんに会えた



嬉しい…。




お付き合いを始めたものの



なんだか信じられなかった




「いつでも連絡しておいで」




って言ってくれたけど




なんとなく…連絡しづらくて




でも会いたい





声が聞きたい…





そんな思いに支配されて




ノンラビ のYouTube少しだけ見たり




曲を聴いたりしていた。




初めて見るキラキラのはるくんは




とってもとっても可愛くて



時にはカッコよかっくて、綺麗な歌声で




やっぱり信じられない




若くて、ファンだってたくさんいるような





そんな人がわたしの彼氏なんて




「久しぶり」って



はるくんがわたしを優しい目で見つめて言う。


わたしはなんだか恥ずかしくって



「久しぶり」としか言えなかった。




「会いたかった」とか



「会えて嬉しい」って言いたかったけど




そんなこと言って  





重い女とか思われたくないし



会えただけで




胸がいっぱいいっぱいになっちゃって




うまく言葉が出てこなかった。





そのうち田口さんと松村さんが




合流して、食事会がスタートしたんだけど…。




あれ?





はるくん…機嫌悪い?




極端に口数が少なくなって




なんか上の空みたい…。





わたし…なんかしちゃったのかな…




田口さんと松村さんは



そんなはるくんの様子に気づいていないのか





普通に盛り上がっていた






するといきなりはるくんの手が




わたしの手に触れた





わたしはびっくりして




手を引っ込めちゃったんだけど…、





はるくんの手はわたしの手を






あっという間に包んでしまい





彼の膝の上に置かれた。





…わたしは…もう





それから食事どころではなくなってしまった。

チラッとはるくんを見ても




素知らぬ顔で田口さん達とワイワイやってる。




テーブルの下にあるわたしの手は




はるくんの手に重ねられて





はるくんの膝の上に置かれたままだった。





…これ、田口さん達に見つかったらどうしよ…。




そんな事を考えてたら




会話に盛り上がってた田口さんが






わなしの顔をじーっと見つめて言った。
達也
達也
なんか顔赤くないですか?笑
もう酔っちゃいました?笑
美麗
美麗
あ、いいえ!大丈夫です!
そんなに飲んでないですし…
わたしがそう言うと





はるくんは、スマホの時計で時間を確認した。
晴人
晴人
あ、もうこんな時間じゃん
そろそろ帰ろ??

はるくんは、わたしから名残惜しそうに




手を離しながら言って




いきなりはるくんが立ち上がった。
晴人
晴人
じゃ、美麗行こう?
2人とも、また明日ね!
達也
達也
はる、またなぁ!
大我
大我
おつかれ〜!
はるくんがわたしの手を引っぱって



個室を出ようとするから




わたしは2人に



「今日はありがとうございました!また!」と





挨拶もそこそこに部屋を出た。
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達也
達也
大我…気づいた?笑
大我
大我
あの、あれでしょ?笑
手でしょ?笑
達也
達也
そう!笑
そこまでしてまで俺達にとられると思うかねー笑
大我
大我
あいつってそんなに独占欲強いやつだったけ?笑
達也
達也
笑笑笑
けど…はる、ほんとによかったな
大我
大我
そうだね笑

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