久々にはるくんに会えた
嬉しい…。
お付き合いを始めたものの
なんだか信じられなかった
「いつでも連絡しておいで」
って言ってくれたけど
なんとなく…連絡しづらくて
でも会いたい
声が聞きたい…
そんな思いに支配されて
ノンラビ のYouTube少しだけ見たり
曲を聴いたりしていた。
初めて見るキラキラのはるくんは
とってもとっても可愛くて
時にはカッコよかっくて、綺麗な歌声で
やっぱり信じられない
若くて、ファンだってたくさんいるような
そんな人がわたしの彼氏なんて
「久しぶり」って
はるくんがわたしを優しい目で見つめて言う。
わたしはなんだか恥ずかしくって
「久しぶり」としか言えなかった。
「会いたかった」とか
「会えて嬉しい」って言いたかったけど
そんなこと言って
重い女とか思われたくないし
会えただけで
胸がいっぱいいっぱいになっちゃって
うまく言葉が出てこなかった。
そのうち田口さんと松村さんが
合流して、食事会がスタートしたんだけど…。
あれ?
はるくん…機嫌悪い?
極端に口数が少なくなって
なんか上の空みたい…。
わたし…なんかしちゃったのかな…
田口さんと松村さんは
そんなはるくんの様子に気づいていないのか
普通に盛り上がっていた
するといきなりはるくんの手が
わたしの手に触れた
わたしはびっくりして
手を引っ込めちゃったんだけど…、
はるくんの手はわたしの手を
あっという間に包んでしまい
彼の膝の上に置かれた。
…わたしは…もう
それから食事どころではなくなってしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!