わたしの家での食事が終わり
わたし達はタクシーである場所へ向かっていた。
ちなみに、蓮くんは眠っている。
「お客さん。到着しました。」
わたしはそう言って、タクシーから降りて
麗奈は蓮くんを抱っこしている状態。
すると、建物からはるくんが出てきた。
はるくんは麗奈に頭を下げた。
蓮くんを抱っこしながら頭を下げた。
はるくんはそう言うと
抱っこしている麗奈から蓮くんを
はるくんが抱っこした。
麗奈に半ば強引に目隠しをさせて
わたしは前が見えない麗奈を支えながら
ある部屋へ入って行った。
その部屋は、特別に貸切状態で用意して貰った
バンドマンが使用する
音楽の小さな舞台だった。
入ると、わたし達の前には、
それぞれメンバーが担当の楽器を持って
いわゆる、ライブをやる体制になっていた。
目隠しをされた状態で麗奈がそう聞いてきた。
わたしは、田口さんと目があった。
静かにわたしは頷いた。
麗奈はそう言って目隠しを外して
前を見た。
麗奈は驚きのあまり
ピクリとも動かなくなっていた。
田口さんの表情が苦しそうな悲しい表情になった。
麗奈は相当パニックになり、半泣き状態。
田口さんはギターを静かに置いて
麗奈に近づいた。
麗奈の目から涙が溢れた。
麗奈はそう言うと、走って部屋から出て行ってしまった。
わたしは急いで麗奈を追いかけた。
麗奈は急いで蓮くんを抱っこしようとしたが
なんとか、腕を掴んで追いつく事ができた。
ポロポロ涙を流す麗奈。
わたしはとにかく、すぐそばにあった
長椅子に座らせて、隣に座った。
そこから数分後。
ようやく泣き止んで
落ち着きを取り戻した。
わたしがそう言うと、麗奈は優しい笑顔で
そう言って、田口さんを探しに行った。
と、同時にはるくんが2人分のジュースの缶を持って
わたしのところにきた。
その手には、オレンジジュースの缶だった。
はるくんはそう言って、わたしの隣に座ってきた。
はるくんはそう言って、わたしの肩を抱いて
自分の方に引き寄せた。
わたしもはるくんに寄り添って
はるくんの肩に頭をおいた。
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俺は、さっきの麗奈さんの事が頭から離れなかった。
やっぱ…もうダメだよな…笑
気持ち的に、人生初の失恋をした気分だった。
その時…
大我が俺の肩をポンポンとしたので
下げていた頭を上げると
目と鼻を赤くした麗奈さんがいた。
大我は俺と麗奈さんを交互に見ながら
出て行った。
俺と麗奈さんの2人だけになった。
麗奈さんはゆっくり歩いて
俺の隣に座ってきた。
隣に座ってくれた。
それだけでも、俺の心は晴れていた。
て…ガキか俺は…
麗奈さんは座りながら俺に頭を下げてきた。
麗奈さんは、首を横に振った。
綺麗な笑顔で、俺に言ってきた。
その表情に…俺の心がまたときめいていた。
あれ、告白するのってこんなに緊張するもんだっけ…?
心臓がバクバクして、うるさいくらい。
告白を先越されたけど
言われっぱなしではダメだ。
付き合って欲しいって言おうとすると
麗奈さんが俺に近づいて
抱きしめられた。
俺は、そこから先何を言おうとしているのか
分かりたくなくて
聞きたくなくて
麗奈さんの口を塞ぐかのように
俺はキスをした。
初めはびっくりしていた麗奈さん
だけど、徐々に麗奈さんの身体から力が抜けて
気がつけば
俺は、ソファーに押し倒していた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。