朝、会社でわたしは
伊吹さんを探していた。
まだ来てないのかな…。
わたしは
志摩さんに言われた通りオフィスに行くと
伊吹さんがいた。
いつのまにここにいたの?
いつもと変わらない伊吹さんの明るさ
わたしと伊吹さんは会議室に移動した
喋り出そうとするタイミングが被ってしまった。
明らか顔は笑顔だけど
完全な笑顔じゃない事は分かった。
なにも言葉が出て来なかった。
あまりにも伊吹さんが真剣な顔して
そんな事言うもんだから。
ガチャ
華恋に笑顔で返事した後
わたしを見て
そのまま会議室から出て行った。
わたしはその場から逃げるかのように
自分のデスクに戻った。
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美麗と付き合い始めた。
規則的な美麗の仕事と違って
俺らの仕事はほんとに不規則
昼夜逆転してる事だって多い。
毎日仕事が終わる時間も読めないし
終わってもいきなり仕事の連絡が来ることもある。
そんなこんなで、美麗とはなかなか会えない…。
は…?
なんで達也くんが美麗に連絡するん?
俺は達也くんを見ずに
帰り支度をしながら答えた。
達也くんが不思議そうな顔して、俺に聞いてきた。
俺はちらっと達也くんを見てから
誤魔化すかのように持っていたスマホに視線を落とした。
大我が俺と達也くんの間に入ってきた。
そんなこと言ってる間に
達也くんがどこかへ電話し始めた。
俺は達也くんのスマホを奪おうとしたけど
達也くんはヒラリと体をかわした。
絶句する俺に大我がポンポンと肩を叩いた
大我がそう言ってから
俺から離れて行った。
いつのまに達也くんと連絡先交換したの…?
その謎だけが頭の中をループした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!