第28話

気持ち
156
2020/12/01 14:12
朝、会社でわたしは



伊吹さんを探していた。



まだ来てないのかな…。
一未
一未
伊吹か?
美麗
美麗
あ!志摩さん!
一未
一未
あいつならさっき仕事場に行ってたぞ
美麗
美麗
あ、ありがとうございます!
一未
一未
……。
わたしは



志摩さんに言われた通りオフィスに行くと




伊吹さんがいた。




いつのまにここにいたの?
美麗
美麗
い、伊吹さん
藍
あ、みーちゃん!
いつもと変わらない伊吹さんの明るさ
美麗
美麗
…ちょっといいですか??
藍
うん笑
わたしと伊吹さんは会議室に移動した
美麗
美麗
あの!
藍
ねぇ!
喋り出そうとするタイミングが被ってしまった。
美麗
美麗
あ、すみません!
なんでした?
藍
みーちゃんこそなに??
美麗
美麗
…わ、わたし…
…お付き合いする事になった人がいます。
藍
誰?笑
明らか顔は笑顔だけど


完全な笑顔じゃない事は分かった。
美麗
美麗
…伊吹さんの知らない人です。
だから!
藍
みーちゃんさー、
美麗
美麗
…?
藍
俺この間も言ったよね
美麗
美麗
……
藍
俺は…絶対諦めないよ
そんな簡単に諦められるなら
初めから好きになんてなってないよ…
美麗
美麗
伊吹さん…
藍
絶対振り向かせてみせる
美麗
美麗
っ…、
なにも言葉が出て来なかった。



あまりにも伊吹さんが真剣な顔して



そんな事言うもんだから。



ガチャ
華恋
華恋
失礼します。
伊吹さん、部長がお呼びです。
藍
…分かった笑
今行く笑
華恋に笑顔で返事した後




わたしを見て




そのまま会議室から出て行った。
華恋
華恋
…美麗?
美麗
美麗
…あ、な、なに?笑
華恋
華恋
伊吹さんと何話してたの…?
美麗
美麗
…、ううん!たいしたことじゃないの!笑
わたしも仕事戻ろっと!笑
わたしはその場から逃げるかのように



自分のデスクに戻った。
華恋
華恋
………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


美麗と付き合い始めた。




規則的な美麗の仕事と違って



俺らの仕事はほんとに不規則



昼夜逆転してる事だって多い。




毎日仕事が終わる時間も読めないし



終わってもいきなり仕事の連絡が来ることもある。




そんなこんなで、美麗とはなかなか会えない…。
達也
達也
なぁ、はる
晴人
晴人
なに?
達也
達也
今日美麗ちゃん誘ってメシ行かない?
俺、美麗ちゃんに連絡しておく。
大我も行きたいって言ってたし笑
は…?




なんで達也くんが美麗に連絡するん?
晴人
晴人
…ダメ
俺は達也くんを見ずに



帰り支度をしながら答えた。
達也
達也
なんでだよ笑
あ、お前なんか予定あるん?
晴人
晴人
違うよ!
達也
達也
ならなんで。笑
達也くんが不思議そうな顔して、俺に聞いてきた。




俺はちらっと達也くんを見てから




誤魔化すかのように持っていたスマホに視線を落とした。
達也
達也
え…お前…もしかして、美麗ちゃんと?
晴人
晴人
…そーだよ!
だからダメなの!
達也
達也
えー!!!
マジか!!笑
大我
大我
なに?なに?笑
大我が俺と達也くんの間に入ってきた。
達也
達也
はる、美麗ちゃんと付き合ったんだって笑
大我
大我
え!!いつのまに?!笑
達也
達也
だからほら!お祝いもかねて!
晴人
晴人
もういいって!
そんなこと言ってる間に



達也くんがどこかへ電話し始めた。
達也
達也
あ、もしもし?美麗ちゃん?
田口ですー笑
晴人
晴人
え、!ちょ、ほんと何してんの!
俺は達也くんのスマホを奪おうとしたけど



達也くんはヒラリと体をかわした。
達也
達也
いきなりなんですけど、今日時間ります?
はると大我とご飯行きません?
…はい、そうです。
…大丈夫ですか?分かりました!
達也
達也
はる、美麗ちゃん大丈夫だって笑



絶句する俺に大我がポンポンと肩を叩いた
大我
大我
はる、諦めな?笑


大我がそう言ってから



俺から離れて行った。



いつのまに達也くんと連絡先交換したの…?



その謎だけが頭の中をループした。

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