第63話

絶対離れない
150
2020/12/19 12:59
晴人
晴人
ん…っ、いって〜…

俺は、二日酔いの頭痛で目が覚めた。





俺はふと横を見ると…





白い肩を出して俺に背を向けて






寝ている美麗がいた。






記憶がない…








といえば嘘になる


たしかに、途切れ途切れしかないけど





覚えてる…






俺は、後ろから美麗を抱きしめた。

安心する美麗の




温もり、香、抱き心地





俺は、一旦ベッドから出て






パンツとズボンだけ履いて






シャワーを浴びた。






お風呂から出ると






美麗はまだスヤスヤ眠っていた。





…ん…、?今日って何曜日…?





確か、まだ平日…





今何時…?






俺は、スマホを手探りで探していると
美麗
美麗
…ん…
美麗が起きたのか





モゾモゾ動き出した。

あ!スマホあった。




俺は時間を確認すると…
晴人
晴人
…7時半…
美麗っ?もう7時半だけど、時間大丈夫??
美麗
美麗
ん〜…まだ7時半じゃな…
……え?!7時半?!

美麗がカバっと起きあがった。

やっぱりまずい…、?
美麗
美麗
…あぁ〜…

美麗が力が抜けたかのように




また寝転んだ。
晴人
晴人
ひょっとして…もう間に合わない…?
美麗
美麗
…残念ながら…

俺が昨日酔っ払ったから…




どうしよう…美麗に仕事の影響出んじゃん

美麗はもう一度ゆっくり起きあがった。
美麗
美麗
え…?
今からお風呂入って髪乾かしてメイクして…って…絶対無理。
……とにかく連絡してくるね、笑

美麗は、簡単に服を着て




ベッドから降りて行った。




しかしスマホを見た途端美麗の表情が変わった。
美麗
美麗
はるくん!
晴人
晴人
??
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガチャ
美麗
美麗
スッキリしたぁ〜
はるくんありがとう〜笑
晴人
晴人
いいえ!
…やっぱり俺の服デカいね笑

さっき、スマホを見ると







昨日の22時くらいから会社のグループ〇〇NEが




動いていて





パソコンのメンテナンスで






今日は午後からお仕事だった。
美麗
美麗
だってはるくん、自分でも少しデカいんでしょ?笑
晴人
晴人
うん笑
俺、ダボっとした服が好きなの笑
美麗
美麗
ふふふ笑
ってあれ?なんかいい匂い。
晴人
晴人
ん?あぁ笑
朝ごはん作っておいた笑
はるくんと台所へ行くと
美麗
美麗
すっご!!

テーブルには



朝の定番メニューが豪華に作られていた。
晴人
晴人
冷めない内にはやく食べよ?笑

はるくんはわたしを椅子に座らせてから




わたしの真向かいに座った。






2人でいただきますをして





一口食べると
美麗
美麗
…んー!!
うまぁい!!
晴人
晴人
笑笑笑
美麗の口にあってよかった笑
美麗
美麗
いや、もうすごすぎるよ!!
ほっぺ落ちそうだもん!笑
晴人
晴人
笑笑笑笑
なんやそれ笑、大袈裟やって笑
美麗
美麗
…はるくん
二日酔いの中、ごめんね…?
ここまで豪華に作ってくれて…
晴人
晴人
いいて笑
気にしないで笑、お風呂入ったら二日酔いもちょっとマシになったし笑
こんなん人並み程度やて笑


ほんとうにどれも美味しくて美味しくて…





朝からはるくんの手作り朝ごはんを






はるくんと食べれるなんて笑







…ってか、
美麗
美麗
はるくんって料理得意だったのね。笑
晴人
晴人
まぁね笑

黙々と夢中になって食べていると
晴人
晴人
…ぷぷぷっ笑

はるくんに笑われた
美麗
美麗
へ…?なに?笑
晴人
晴人
いや、笑…
スッゲー美味しそうに食べてくれるなぁ〜って笑
そこまで喜んでくれると作りがいがあるよ笑
美麗
美麗
だって美味しいんだもん笑
晴人
晴人
それに…
美麗
美麗
??

そう言うと




はるくんが前のめりになって腕を伸ばして




わたしの首筋を触ってからまた座った。
晴人
晴人
…俺の印

満面な可愛い笑顔で言った。
美麗
美麗
ちょ、!
晴人
晴人
顔赤くなっちゃって笑
可愛い笑なんか、よくよく見たら
ちょっと歯形もついてんな笑
美麗
美麗
もう、笑…キツくやり過ぎたんじゃないの?笑
晴人
晴人
ごめんごめん笑
でも美麗、首元開いた服しか持ってないんじゃないの?笑
美麗
美麗
そ、そんな事ないわよ!
い、一着か二着くらいは…
晴人
晴人
でもさ…隠したら意味ないじゃん



この跡を付けた張本人である彼はムッ、として





小さな子供のよう




昨夜の熱の籠った目をしていた





人物とはまるで別人





跡をつけてくれるのも、





抱きしめてくれるのも、







貴方がいい…はるくんだけだもん






はるくん以外の異性になんて揺らがない。


美麗
美麗
わたしは…はるくんだけよ…?
晴人
晴人
………
はるくんは顔を赤くして




自分の照れを紛らわすかのように





ご飯にがっつきはじめた。






はるくん可愛い…笑




わたしは笑みを浮かべながら





ご飯を食べた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

食べ終わって、2人で片付けて




ソファに並んで座ってゆっくりしていた。





今は9時。まだもう少し一緒にいれる
晴人
晴人
え?あの人と?
美麗
美麗
ちょっとした事でね…ケンカしちゃって…笑
たまにばったり会ったりすんだけど…
わたしからも…あの人からも目を合わせない状態が続いてるの笑
晴人
晴人
……
美麗
美麗
あの人に言われたの
まだわたしが19.20歳だったら…
また次があるって立ち直ってもいいかもしれないけど…29歳の女はそうはいかないって…
もっと…現実を見た方がいいって…
晴人
晴人
……なんだよそれ…

少し怒った感じのはるくんの声がした。
美麗
美麗
あ…はるくん、ごめんね!わたし…
晴人
晴人
え?何言っんの?
俺は美麗じゃなくてあの人にイラついんてんの
俺たちの事何も知らないくせに
美麗の事傷つけて…

すごい…わたしとおんなじ事言ってる…
美麗
美麗
お互い様よ笑
わたしも随分きつい言い方しちゃったから…笑
…これからは普通に話せないかもね…笑
涙が出ないように




無理矢理笑顔を作って話した。


すると、はるくんは






ふんわり優しく抱きしめてくれた。
晴人
晴人
… 1人で抱え込ませちゃって…ごめん…

わたしの背中をトントンっと、あやしてくれる
美麗
美麗
は、はるくんは悪くない…!
晴人
晴人
大切な彼女を辛い思いさせておいて
悪くない事ないでしょ
晴人
晴人
…俺との事を反対されたりして
辛いかもしれないけど…そんなの全部吹き飛ばすくらい…たくさん美麗の事…俺が愛するよ
美麗
美麗
……
晴人
晴人
…将来…の事も今すぐには約束できない
けど!俺はこれから先何十年…いや
死ぬまで美麗には俺のそばにいて…笑っててほしい…
美麗
美麗
…はるく…
晴人
晴人
だから….美麗には
俺の事だけ見ていてほしい

あぁ…この人は…






どこまでも素敵な人だ…

我慢していた涙も溢れてしまい




はるくんのパーカーを涙で濡らしてしまった。




そこからしばらくはるくんの腕の中で泣いた。





その間は何も言わずに






ただただわたしを抱きしめてくれた。

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