第98話

なんで
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2021/01/10 05:56



ガチャ
大我
大我
達也くん…まだいるかな…
晴人
晴人


達也くんや美麗に謝らないと…







本当に、つくづく情けない男だよ







俺は


俺と大我がリビングに入った。
大我
大我
達也く〜ん?
達也
達也
しーっ





達也くんが人差し指で静かにするよう





合図をした。






ソファーを見てみると





涙の跡を残っていて







泣き疲れたのかスヤスヤ眠った美麗がいた。
達也
達也
はる
晴人
晴人
達也
達也
美麗さんを寝室に運ぶのはお前の役目だろ?





達也くんは、笑顔で俺にそう言った。






俺は寝てる美麗の前に行き





毛布を外すと
晴人
晴人
…え…?
達也
達也
大我
大我
な、なに?


毛布を外すと





美麗の身体には無数の痛々しい






傷や、打撲のような跡の上から絆創膏が。






足も捻挫したのか、包帯が巻かれていた。
晴人
晴人
…っ、た、つやくん
達也
達也
晴人
晴人
…これって…?


俺はそう声を出すのが精一杯だった。
達也
達也
はる… 美麗さん、かなり
つらい思いしてるよ。
晴人
晴人
達也
達也
…… けど、そんな中でも美麗さんは
ちゃんとお前のことずっと信じてる。





つらい思い…






この姿を見れば痛いくらい分かる…






だけど、達也くんには分かってるのに






俺はなにも分かってないのが嫌だった。
晴人
晴人
でも…俺には話してくれないんじゃ…
達也
達也
お前もどちらかと言えばそういうタイプやん
晴人
晴人
…そういうタイプって…?
達也
達也
何か嫌な事とかあっても
自分の心の中だけに溜め込んで、俺らにめったいに言わないじゃん。
晴人
晴人
…!
達也
達也
…優しすぎるあまり、迷惑かけたくないとか
負担になるとか、そんな事ばかり考えちゃって。どうや?これで言ってもらえない、頼ってもらえない人の気持ち分かったか?


そうだ…





俺もそうだったんだ…







俺は今まで…達也くんや大我に






今の美麗にされた事を







同じことをしてたんだ…
晴人
晴人
…痛いくらい、分かったよ。
達也
達也
…美麗さんを本当に救えるのは、はる。
お前しかいないんだよ。


俺…美麗になんて事を…






ねぇ…美麗







もう怒ったりしない






怒鳴ったりしない







だから








言ってよ。







頼ってよ。







俺、美麗の男やろ…?










俺は、美麗の手を両手で握りながら









顔だけ達也くんの方に向けた。
晴人
晴人
達也くん…
達也
達也
ん?
晴人
晴人
さっきは…あんな言い方してごめんなさい。
達也
達也
…いや、俺の方こそ悪かった。



達也くんとは仲直りができた。








俺は片方の手を美麗の涙の跡を







親指で触った。




美麗…こんなふうに、自分の事ばかりに







なっちゃう男でごめん…。







こんな男だけど…やっぱり俺は…








俺の隣にいる女の子は









絶対に、美麗しかありえない







美麗しか無理なんだよ…。







明日、美麗ときちんと話し合おう

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