第17話

食事
174
2020/11/23 14:18
17時15分まであと1分…。


キーンコーン



よし!終わった!



わたしは急いで帰る準備をした。
美麗
美麗
すみません!
お先に失礼します!
全員「お疲れ様でーす。」




わたしはそう言って帰ろうとすると
華恋
華恋
え、美麗もう帰るの?
麗奈
麗奈
今日はほら、あれだよ笑あれ!
華恋
華恋
…あぁ〜笑なるほどね笑
デートだもんね笑
美麗
美麗
デート?それは断じて違う!
じゃ、お先!
麗奈
麗奈
おつかれ〜笑笑
華恋
華恋
お疲れ様〜笑笑
わたしは急いで会社を出た。
藍
………。
はる
はる
お仕事が終わったら
〇〇駅で待っててもらえますか?
mirei
mirei
分かりました。
そして〇〇駅に着いた。



なんだろ…、電車で来るのかな…。




だとしたらめちゃくちゃ変装してくるかもなぁ。



そう思いながら待っていると




プップー!



クラクションの音が聞こえて



聞こえた方を見ると
美麗
美麗
…え?
車を運転した矢野さんの姿が



わたしはとにかく車に向うと




矢野さんが車から降りてきた。



そこには



何も変装してない素の【矢野晴人】がいた。




そして、わたしのところへ来て
晴人
晴人
お疲れ様でした


っと、可愛い笑顔でそう言うと




助席のドアを開けた。



晴人
晴人
どうぞ
美麗
美麗
あ、…ありがとうございます。
失礼します…。
え、なになになに、



もう驚きポイントが




たくさんあり過ぎて言い切れない…。




わたしが乗ったのを確認すると



ドアを閉めて、運転席のドアを開けて乗ってきた。


そして車が走り出した。




すごい…。




人生で年下の男の子とこんな風に



車に乗って、ご飯に行く日が来るなんて



予想もしていなかった。
ふと横を見ると、当たり前だが




運転してる矢野さんの姿。




な、なんかシンプルにかっこいい。
晴人
晴人
なんすか?笑
美麗
美麗
え?!
晴人
晴人
そんなに見られたら
俺、穴開いちゃいますよ…笑
美麗
美麗
あ、…ご、ごめんなさい…。





わたしが慌てて視線を逸らすと



矢野さんはちょっと笑った。
晴人
晴人
ていうか、なんで俺に敬語なんですか?
俺、年下っすよ?笑
美麗
美麗
いや、それは…、その…
ダメだ…なんかわからんが



頭が混乱してきた。



…ん?
美麗
美麗
あれ…
晴人
晴人
どうしました?
美麗
美麗
その、ほっぺた…
矢野さんの頬には微かだけど



ひっぱ叩かれたような跡があった。



信号が赤になり車が止まった。
晴人
晴人
あ、これはぁ…
…まぁ、…教育?みたいな?笑
美麗
美麗
え?笑なんですか?それ笑
晴人
晴人
…やっと笑ってくれた。
美麗
美麗
え?
晴人
晴人
最初に会った時以来ですね、
…まぁ、そりゃそうですよね。
美麗
美麗
…あ…
晴人
晴人
ずっと…謝りたかったんです。
ほんとにすみません。
矢野さんがわたしを見つめてきた。




む、胸の音が…うるさい。




これじゃあ




矢野さんに聞こえてしまうのではと思うくらいだ。




信号が青になって前を向いて運転し出した。



この間までずっとあの人が忘れられなかったはず



なのに




やっぱりわたし、おかしい…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美麗
美麗
ご馳走様でした。
晴人
晴人
いえいえ笑
家まで送りますね笑
あ、家知られるのは嫌か…
美麗
美麗
あ、…その辺は大丈夫ですけど、
ほんとに送っていただいていいんですか?
迎えにも来ていただいたのに…
晴人
晴人
いいっすよ!笑
服装、雰囲気、髪型全てを見ると



やっぱり大人の女性だなと痛感した。



子供っぽい自分とは大違い。



少し、胸が痛くなりつつ



だけど、俺はもっと美麗ちゃんと一緒にいたくて



車で送ることに。
美麗
美麗
…矢野さ…
晴人
晴人
晴人
美麗
美麗
……
晴…人さん…
晴人
晴人
笑笑
なんでさん付けなんすか!笑
美麗
美麗
もう…許してください…。
これが限界です…。
恥ずかしさからの赤面なのか



お酒で赤面してるのか
晴人
晴人
酔ってます?笑
美麗
美麗
ち、違います!わたしは
お酒で酔っ払った事はありません。
じゃあ、これは恥ずかしさからの赤面なんだ笑
晴人
晴人
へー!お酒強いんですね。笑
俺すぐ顔赤くなって酔っちゃうんで笑
普段あんま飲まないんすよ笑


……美麗ちゃん
美麗
美麗
は、はい
晴人
晴人
今日は俺に付き合ってくれて
ありがとうございました。
美麗
美麗
いえ、こちらこそ美味しかったです。
ありがとうございました。
あっと言う間に美麗ちゃんの家に到着した。
美麗
美麗
今日はほんとにありがとうございました。
美麗ちゃんが



俺を目を見つめながら言ってきた。


ギュン!



俺の心臓が絞られるように音を立てた。


クリクリした瞳の中に



俺が映ってるのが見えた。



うわ、めちゃくちゃまつ毛長い…。



なんかクルッとしてるし…。


唇も…プルプル…。



柔らかそう…、…触れたい…。



そう感じている自分がいた。




晴人
晴人
…!、また…また誘っていいっすか…?
また会いたいです。とか



もっと他に言い方あんだろ!とか思いながら



美麗ちゃんの返事を待つ。
美麗
美麗
は、はい…わたしで、良ければ…。
美麗ちゃんはそう言うと



車から降りて
美麗
美麗
おやすみなさい
と言って俺の返事を聞かずに





自分の家に入っていった。



俺はハンドルに顔をうずめた。
ーーーーーーーーーーーーーーー


ガチャ!バタン!


いま、自分でも鼓動が早くなって



顔も赤くなってるのが分かった。




勢いで家に入ってきちゃった…。



ダメダメ!相手はYouTuberでバンドマンで


年下で…。



って…なんか頭がクラクラする…。




考えるのはやめよ。

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