第95話

心の溝
147
2021/01/05 16:00

時間は20時半過ぎ






電話で会話をしたのは17時半…





何度連絡してみても返ってこなくて






達也くんと大我も一緒に探してくれたけど





結局見つからなかった。
達也
達也
ハル…
晴人
晴人
……
大我
大我

3人で座って待っていると



ガチャ




ドアが開く音がして





急いでるような足音がしてから




リビングのドアが勢いよく開いた。
美麗
美麗
っ、!…はぁ…はぁ…

息を切らしながら帰ってきた
達也
達也
あ、美麗さん!
晴人
晴人

俺は立ち上がって美麗に近づいた。
美麗
美麗
…ごめんなさい…
晴人
晴人
…どこで何してたの
美麗
美麗
…っ、…ちょっと会社でトラブルがあって…
それで、連絡出来なくて…遅くなって…


俺は…何故かこの時




直感で嘘をつかれてる




そう思った。




そんなカーディガン…持ってなかったよね…?
晴人
晴人
美麗
美麗
…ごめんなさい…

下を向いて謝る美麗。
晴人
晴人
…俺って、美麗にとって…いったいなんなの?

美麗は、驚いた顔をしながら顔を上げた。
晴人
晴人
なんで…本当に大事な話を…
俺に言えないわけ…?
達也
達也
…っ、ハル!
晴人
晴人
達也くんは黙ってて
美麗
美麗
…っ、…

涙目になる美麗



いつもなら、泣き顔可愛いとか笑顔にさせようとか



そんな想いでいっぱいだけど





今の俺は…正直イライラが増していた。





まさか…例の告白された人と





どうにかなった訳じゃないよね?
晴人
晴人
なんで、黙ってるんだよ!!





俺は美麗に感情的になって怒鳴ってしまった。





だめだ…涙が出てきそうになってる



美麗は涙がポロポロ流していた。






頭では分かってる。




怒らずに、ちゃんと話を聞かなければいけない




もっと寄り添わないといけないって…














達也
達也
ハル!

達也くんが美麗の前に立った。
達也
達也
ちゃんと美麗さんの事見てやれって言ったろ…


美麗の事見てあげて…?



いや、見てるよ。




そんなの達也くんに言われなくたってちゃんと…
晴人
晴人
なんだよそれ… 今の言葉はまるで、
俺の方がちゃんと見てるって言ってるのと一緒じゃない?

達也くんにまで八つ当たりして



毒を吐いてしまった。
大我
大我
ハル…一旦外に出よう
頭冷やそう…
晴人
晴人
…っ、




大我はそう言って





俺を外に連れて行った。

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