第108話

汚くなんかない
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2021/01/11 05:47

俺は、横たわってる美麗を抱き起こして





おんぶをして歩き出した。





フワフワと美麗から香る男の匂い。






そのたびに、嫉妬に狂いそうになったけど






今は、そんな事言ってる場合じゃない。
達也
達也
はる!


達也くんと大我が俺に向かって走ってきた。
晴人
晴人
…あれ、2人とも着いて来てたの?笑
達也
達也
まぁな
大我
大我
やっぱ心配だったからさ!
にしてもお前…
晴人
晴人
ん?
達也
達也
チョーかっこよかったで笑
大我
大我
ほんとほんと笑
晴人
晴人
…笑
やめろよ。笑





だってあれが、本心だから…







美麗は誰にも渡さない。





けど…誰なんだよ…







俺の美麗を泣かせた奴は








絶対そいつを許さない。






けど、いったいどうやって突き止めればいい?







…それにしても
大我
大我
はる、顔怖いよ。
達也
達也
まぁ、無理もないやろ





美麗のオシャレなファッションからはまるで







組み合わせが合ってない男のパーカー。










そんなわけはないって思っていても…






よぎる不安。








俺以外の男に触られたんじゃないかって…
晴人
晴人
ねぇ…達也くん…
達也
達也
なに?
晴人
晴人
美麗の周りでいったい何が起こってるんだろう…
達也
達也
…っ



俺の言葉に足を止める達也くん。






やっぱり






達也くんは知ってるんだね…
達也
達也
… お前は、どう予想してるわけ?
晴人
晴人
どうって…1つしかないやろ…



男にやられた以外に何があるっていうんだよ。
達也
達也
なぁ…はる
晴人
晴人
なに?
達也
達也
お前はとにかく美麗さんのそばにいてやれ。
晴人
晴人
…わかった…



達也くんはそう言って






俺らの前から足早に消えていってしまった。


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ふと、目を覚まし目を開けると





見慣れた天井が。






まずいな…こんな汚い身体で






とにかくお風呂に入って少しでも綺麗に…









って思ったけど







体中痛くて、起き上がれない。



また出て来そうになる涙。






はるくん以外の男に






触られた事実は変わらないのに…






消えはしないのに…
美麗
美麗
はるくん…助けてよ…。


1番迷惑を掛けたくない







人物の名前を呼んでしまう…







求めてしまう…






嫌な光景が…







汚い残像がわたしの頭から離れない


ガチャ
晴人
晴人
あ、美麗…?起きた?



はるくんがコンビニの袋を持って






部屋に入ってきた。




わたしはとっさに壁側へ向いてしまい







はるくんに背を向けてしまった。




はるくんがベッドに座ったのが分かった。
晴人
晴人
…美麗…
美麗
美麗


はるくんはそう言って





わたしの頭を優しくなでてくれた。




はるくん…ダメだよ…






わたし汚いよ…



はるくんの隣にいる資格なんてない…







隣にいちゃいけない人間なの…


はるくんは、わたしの





首筋についている汚い印を指でなぞろうとした。






わたしは触らないでと意味を込めて







体をゆすった。
美麗
美麗
触っちゃダメ…
晴人
晴人
美麗
美麗
触っちゃ…ダメ。
はるくんまで汚くなっちゃうから
晴人
晴人
ごめん…気づいてあげられなくて。





はるくんの声が震えていた。







泣いてる…?








どうしてはるくんが泣くのよ…




はるくんはわたしの頭に優しくキスをしてくれた。
美麗
美麗
ダメよ…なんでこんなことするの…
わたし…汚い…





わたしの言葉をさえぎるようにして







はるくんは、わたしの上に跨がって正面を向かせて






はるくんはわたしの唇にキスをした。









美麗
美麗
だから…だッ…めッ…は…る…んッ…


久しぶりのはるくんとのキス。





そのせいでその時間が長く長く感じた。
晴人
晴人
美麗が汚いわけないやろ…?
俺の女なんだから…
最高の女に決まってんじゃん
美麗
美麗
はるくん…違うよ…
晴人
晴人
違わない




そう言うと





わたしの首筋の汚い印にキスを落とした。



首や胸など、汚い印の上に綺麗な印が重なる。



 

すべての汚い印に





はるくんの綺麗な印が重なっていく…




それに伴って、わたしの身体に走る鋭い痛み。



でも心地いい、嬉しい痛みだ。
晴人
晴人
これで消毒完了



久々にわたしに向けられたはるくんの笑顔。


はるくんはそう言って、





わたしを強く抱きしめた。
晴人
晴人
俺の隣の女の子は…美麗しかありないって事


すごくうれしかった。





わたしの不安をかき消すような言葉だった。



辛かった事を






すべて忘れさせてくれるような






そんな言葉だった。
晴人
晴人
俺のそばにいて欲しい
美麗
美麗
晴人
晴人
どうする?…俺のそばにいてくれる?


分かってるくせに…






わたしがなんて返すか分かってるくせに





聞かないでよ…
美麗
美麗
…そばにいる
晴人
晴人
…だよね?笑


久々の幸せなこの感覚。



はるくんはわたしの首筋に






新しい印をつけた。
晴人
晴人
これ、美麗が俺のだっていう印ね?
美麗
美麗
う…うん
晴人
晴人
顔真っ赤、そんな顔しないで…俺、抑えきれなくなっちゃうから…
美麗
美麗
え?
晴人
晴人
…なんてね…笑


そう言ってはるくんは、わたしから降りようとした

わたしはとっさにはるくんの両方を持って





キスをしていた。
晴人
晴人
?!


はるくんは一瞬驚いた顔をしたが





すぐ真顔になった。
美麗
美麗
あ…ご、ごめんなさい…んっ、



はるくんは、噛み付くようなキスをしてきた。
晴人
晴人
…全部忘れさせてあげる



その言葉が聞こえたのと同時に






わたしはまた、はるくんに溺れた。




今日のはるくんは特に、容赦ない





許してくれない






何度も、何度も、何度も

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