俺が目を覚めると
俺の腕の中にいたはずの美麗はいなかった。
勢いよく起き上がり家の中を探し回ったが
やっぱりいない。
俺はふと、時計に目が入った。
あ、10時…
そうか…仕事に行ったんだ…
俺のスマホが鳴った。
ひょっとして、美麗?!
と思い、スマホを見ると
達也くんが申し訳なさそうに言った。
正直、今日の夜は空いてるはずだったから
美麗を迎えに行って
ゆっくり話そうと思ってたんだけどな…
俺はキッチンに行くと
もうすでに朝ごはんが完成していて
後は、温めて、お皿によそうだけだった。
美麗…俺から離れていこうとか
そんな事考えてないよね…
いや、例え仮に離れて行っちゃっても
また一から振り向かせて見せる。
なんとも不思議だ。
今までの俺なら
ちょっとでも、もうダメかもって思ったら
すぐ諦めてたのに。
美麗だけは諦められない。
どうしても
どうしても美麗じゃなきゃいけない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。