第96話

心が…
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2021/01/10 06:10

はると大我が外に出て行き



俺はさっきはるに言われた事を思い出した。
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晴人
晴人
なんだよそれ… 今の言葉はまるで、
俺の方がちゃんと見てるって言ってるのと一緒じゃない?
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違う。




俺はそんな事が言いたかったわけじゃないんよ





なのに…








俺は後ろにいる美麗さんを見ると








完全に無表情で









美麗さんの瞳の先にはなにも映っていない








そんな雰囲気がした。

達也
達也
美麗さん…?
その足…

俺はがそう問いかけても






美麗さんは下を向いて黙ったまま。




俺には捻挫をして





腫れてるようにしか見えなかった。






いや、誰が見てもこれはそう思う。



達也
達也
とにかく座りましょう
美麗
美麗

俺はとにかくソファーへ誘導しようとすると







少し足を痛そうに引きずっていた。









その時、俺は確信した。
達也
達也
…美麗さん。
一旦そのカーディガン、脱いでもらっていいですか?
美麗
美麗
…え?
達也
達也
あ、いや!変な意味じゃなくて!
ひょっとして…今見えない箇所に怪我してるんじゃないかなって
美麗
美麗
達也
達也
早く手当てしないと菌が入っちゃいますよ?
美麗
美麗





俺は勝手に救急箱を持ってきて







消毒液や、絆創膏や、包帯を出した。








美麗さんはゆっくりカーディガンを脱いだ。









腕には、無数の傷や打撲のような跡が







やっぱり。
美麗
美麗
…痛…っ、
達也
達也
…ごめんなさいね
すぐ終わるんで
美麗
美麗
あ、いえ…すいません
達也
達也
美麗さん…
美麗
美麗
…はい
達也
達也
… 1人で抱え込まないでください
そのたくさんの傷…あの女の仕業ですよね?
美麗
美麗
っ…、
達也
達也
そうなんですね?




美麗さんの肩がビクッとなって








体が震えていた。






涙をポロポロとこぼしながら









下を向いて首を横に振る美麗さん









俺は美麗さんの両肩を触って







顔を下から覗き込んだ。
達也
達也
美麗さん!
美麗
美麗
…っ、
達也
達也
もうこれ以上…嘘をつくのは辞めましょうよ
美麗
美麗
達也
達也
でないと、このままじゃ
はるとも、ギクシャクしたままですよ?
美麗
美麗
…なんて…
達也
達也
え?
美麗
美麗
わたしなんて…重荷なんでしょ…?
達也
達也
…美麗さん?
美麗
美麗
一緒にいても…ただ迷惑かけるだけで!
幸せになんてできない、ただのお荷物なんでしょ?!
クズ女なんでしょう?!





感情が爆発したかのように







大泣きしながら俺に訴えかけてきた。








あの女…






暴力だけじゃなくて









何を吹っかけたんだ…?







それに…あの女に脅された?







やることが汚いとは分かってはいたけど








ここまでとは…




俺があの時もう少し







あの女の頭に叩き込ませていれば












二度と悪さができないように…







そこまでちゃんとしっかりやればよかったと。

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