ずっと顔を机に伏せたままの達也くん。
その姿は、鈍感な俺が見ても分かるくらい。
昨日(?)俺の家に来てた時のあのテンションは
いったいどこへ行ったのか
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電話越しでも分かるくらい
はるくんは暗かった。
麗奈…何か言ったのかな…?
それとも…まさか関係が…?
わたしは電話を切った。
いつもと変わりなく華恋と話す麗奈。
田口さん…本当の事、麗奈に話したのかな。
ていうか、本当のところ麗奈は田口さんの事
どう思ってるんだろう…
麗奈は今、どんな気持ちなのだろうか。
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わたしは麗奈の手を掴んで
歩き出した。
以前に住んでいたマンションは
経済的ではないけど郵便物や
会社の都合もあるし、そのまま契約してある。
引き払わないでいて良かったって心から思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!