美麗との電話が切れる瞬間、男の声がした
美麗!って言ってた…
誰?
他の男と会ってたの…?
胸がざわついて
俺の心の中の嫉妬心がどんどん溢れていた。
俺はそんな気持ちを必死に抑えて
急いで会社まで車を走らせた
美麗は会社の前にぼーっと立っていた。
様子がおかしい…
俺は傘をさしながら車から降りて、一旦傘を閉じ
美麗の前まで行った。
俺がそう声をかけると
ゆっくり美麗が顔を上げて俺を見た。
その目は、今にも涙が溢れそうになっていた。
その時、フワッと男物らしき香水の匂いが
とにかく美麗を俺の車に乗せた。
俺のマンションに向かう車の中でも
何か思いつめたような顔をしていた。
…さっきの電話と関係あるの…?
とりあえず美麗を部屋に入れた。
俺はドアを開けて美麗を先に入れた。
俺は後から入り、ドアの鍵を閉めた。
美麗が靴を脱ごうと下を向いて俺の方を向いた時
俺は顎クイをして、キスをしていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!