第116話

正体がついに
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2021/01/25 14:38
晴人
晴人
…美麗?!



車から見えた





間違いない…男が美麗のお腹を殴って







気絶させていた。







そのまま車は走り出した。








くそっ!…ふざけんなよ






俺は、ただただ必死に前の車を追いかけた。



そして、たどり着いた場所は








人気が全くない場所だった。







車から降りてとにかく美麗を探した。




晴人
晴人
…っ!美麗!!!!



俺は大きな声で美麗の名前を叫んだ。






その時、遠く離れた場所から






何か倒れるような物音がした。








え?誰かいる…?






俺は急いでそこへむかうと






晴人
晴人
…倉庫?!




この中に美麗が?!



そう思って開けようとすると



倉庫の扉があき、見覚えのある人物が出てきた。






晴人
晴人
…琴子…?
琴子
琴子
は、…はるくん…?



琴子がめちゃくちゃ気まずそうな顔していた。




晴人
晴人
なんでお前…こんなところに、



いるんだよ。と聞こうとすると





美麗
美麗
助、けて…は…る…くん…



愛しい人の声が俺の耳に入ってきた。




晴人
晴人
今、美麗の声しなかった…?
琴子
琴子
え…そう…、?笑



琴子は俺から目をそらし、





視線を落とした。






晴人
晴人
お前…まさか…!



俺はそう言って







琴子を倉庫の前からどかし、






その扉を開けた。









俺が扉を開けると







男数人がいた。








そして、その間から見える







美麗の姿が



愛しい人の姿だけど…







完全に弱り切った姿だった。



俺は男どもを殴って






美麗から汚い手をどかし






縄を解いた。腕には縛られたような






痛々しい跡が。




”大丈夫?!”







美麗にそんな言葉かけるなんて、バカらしかった…





大丈夫じゃないって…見ただけで分かるから…



俺は美麗を力一杯抱きしめた。





晴人
晴人
…ごめん…!



俺は謝るしかなかった





いや…謝る以外…表現できなかった。

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