ユキオの身体は冷えていた。
「…冷たい」
「ごめん、ここで待ってたら君に会えると思って」
「えっ…。で、でも昨日はいなかったじゃん!」
「僕は昨日もここにいたよ。」
「嘘だ。私朝起きてすぐに来たんだよ!」
そう言うとユキオは困った顔をして言った。
「ごめんね。僕が来るのが遅かったみたいだね。」
昨日のことを思い出す。朝は私以外誰も公園に
いなかった。よく考えればそうだ。みんな学校
があるのに朝から公園に来るわけがない。それ
なのにユキオに会いたすぎて焦ってしまってい
たんだ。
「私こそごめん。」
「ううん。会えてよかった」
まただ、心臓がドクドク鳴っている。
ユキオといると安心するけど、なんとなく緊張
もする。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。