部屋に入ると、スンギュは撃たれていた。
「えっくす」という謎の言葉を残してスンギュは息絶えた。
お兄さんの体を抱きしめて、泣き崩れるクプスに俺はなんて声をかければいいのか分からなかった。クプスを残して部屋から出て、城北区全体に緊急放送をながす。
城北区に入るのは、本部や支部と比べて比較的簡単だが、だからといって楽に入れる訳でもない。そうなるとこれは内部の犯行となる。
後方支援部隊の中でも、腕っぷしの強い2人がすぐに取調室に駆け込んできた。ミニョクヒョンは、ショヌヒョン(馬に変身)の背中に乗って来たみたいだ。
城北区には、無効化の能力がかかっていてPPSの職員以外はここで能力を使うことが出来ない。(無効化の範囲は設定できる)
PPSは能力者であれば誰でも保護するので、どこかの組織と繋がっている人でも案外簡単に入ることが出来る。本部や支部で戦闘員として働くには千里眼の能力者に全て見られるが…
ヒョン達は、すぐに捜索を開始してしまった。
クプスが泣きはらした目で、取調室からでてきた。
そういうと、クプスはゆっくりと首を振った。
クプスはこう言うがみんな分かっていた。多分犯人は見つからない。城北区まで入って誰にもバレずに人を殺せるようなやつが、簡単に見つかるはずがないんだ。
予想通りあの後、どれだけ探しても犯人を見つけることは出来なかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。