目の前の歪みが収まると同時に、襲撃を受けた。慌てて、机の影に隠れる。どこからか、唸るような声が聞こえた。
念の為、お気に入りのワルサーと、ナイフを持ってきたが甘かったみたいだ。近くまで進んできていた男を1発で仕留め、銃を奪った。
見える限り、相手は3人。このくらいなら大丈夫だ…
深呼吸をして、机からでた。相手が気づいて銃を構える前に胸を撃ち抜く。左肩を被弾したが、敵は倒した。すぐに、自分の肩を治癒する。
出てきた男に言葉を失った。俺とよく似ているが、どこか大人っぽいこの人は俺の兄だ。
そう聞いた兄に、俺が貰った脅迫状のことを説明すると、顔が真っ青になった。
兄の言葉に俺は身を乗り出した。
あぁ、そんな。俺一人じゃ兄を守れないかもしれない…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!