ヒョンが、支部に戻ってきた。目の周りが赤いから、多分泣いたんだろう。
おれたちの捜査の結果を報告すると、あなたヒョンは複雑な顔をして考え込んでしまった。
証人保護プログラムとは、(PPSの裁判や、尋問の際に相手にとって不利益な情報を証言したなどの)狙われやすい能力者やその家族を守るためのプログラムで、内容は、3段階ある。
1つ目は、住居を変えてプログラム専門の戦闘員と常に一緒にいるプログラム。このプログラムは、戸籍までは変える必要がないものの、身分はそのままなので見つかる可能性が高い。
2つ目は、記憶の消去と戸籍の変更だ。この処置は、記憶を消すので家族やその他のことも全て忘れてしまう。また、戸籍を変更し国外に移動することが余儀なくされる。安全度は高い。このプログラム専門の戦闘員が一生そばに着くことになる。(しかし、本人はそれを知らされない。)
3つ目は、PPSでの保護。つまり、PPSの施設内で生活するという事だ。この保護は、1番安全性が高いが、自由があまりない。このプログラムは主に戦闘員に適用される。
ヒョンは椅子に座るとジョンハンの方を向いた。目線は、手に持っている資料を見ている。
ジョンハニヒョンは、体を震わせた。
スングァンが、大きな袋を持って不貞腐れたように入ってきた。
ヒョンがキラキラした笑顔でスングァンのことを迎えた。ただ、ヒョンの目は完全に袋に入った中華にロックオンされている。
ジュンはぐったりした様子で戻ってきた。
ジュンは、まだ納得できないのか、ブツブツ言いながら、中華を食べ始めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。