俺は叫びながら家に入った。
不意にスングァンが叫んだので、その方向を向こうとした瞬間、誰かが俺を突き飛ばした。
バンッ
誰かが撃った弾が俺の顔スレスレを通って壁にめり込んだ。慣れてはいるが、やっぱりこわい。
横を見ると、チェスンギュは血を流して倒れていた。スングァンがAキューブを使って治癒をしている。あとから、城北区に戻って尋問だ。
俺は、耐えきれずにクプスに抱きついた。クプスはびっくりしたように、でも優しく、俺を抱きしめた。
俺はクプスに抱きついたまま、心のうちを吐き出した。
俺はクプスを突き飛ばした。
クプスは泣いていた。俺は、クプスの涙に弱いらしい。普段は副支部長として支えてくれるクプスの涙を見たのは初めてだ。ウォヌとミンギュの戦闘の時も唯一クプスだけが泣かなかった。
クプスは涙が引っ込んだみたいで、今度は目と口が大きく開いている。なんだと思ってい、後ろを振り返るが、そこではジョンハン、ウジ、ジョシュアががニヤニヤしながら立っているだけだった。
俺は今言った言葉を思い出して、顔がだんだんと赤くなっていくのを感じた。
その瞬間、視界はクプスの顔でいっぱいになった。唇は柔らかく、暖かい感触で包まれる。
何が起きたか分からないまま、俺は呆然と固まっていた。
俺は、男なのに。好きになったのも、キスしたのも、、全部。俺は、恥ずかしいのと、怖さとでいっぱいいっぱいになって逃げ出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。