第6話

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2023/02/03 14:36
狗巻棘
狗巻棘
【おはよ】
私
わっ…!!びっくりした…おはよう、狗巻君
狗巻棘
狗巻棘
しゃけ
狗巻君は、あれから私によく話しかけてくれるようになった。
あの、えっち事件から。(言い方)

今日も寮から教室へ向かう途中、偶然私の事を見かけて声をかけてくれたのだろう。


ただ、いつも突然肩や腕などをつん、とつついてくるので、ちょっとだけくすぐったい。
というか変な気持ちになる。

うーーん、むずむずする
私
あ、狗巻君
狗巻棘
狗巻棘
狗巻君のサラサラヘアーに、一束だけピョンとはねた寝グセを見つけてしまった。


ウッ、可愛い。ちょっと萌えた。

こういうのに弱いんですよね。
私
寝グセついて____っ!!
無意識に手を伸ばして、その髪に触れようとした寸前に思いとどまる。





私、今、もしかして、とんでもなく恥ずかしい事をしようとしたのでは、、。


狗巻君も少し目を見開いてこちらを見ていた。
そりゃびっくりしますよね私もテンパってます。カレカノでもないのに。

私
あ、いや、えっと、そ、そこに!!!
慌てて指をさして伝える。
すると、どういう訳か指をさした腕を狗巻君に掴まれてしまった。


びっくりして、反射的に腕を引っ込めようとした。びくともしなかったけれど。

狗巻棘
狗巻棘
【…直して】
私
…え
狗巻棘
狗巻棘
【直してくれないの?】
目をぱちくりさせて動けなくなった私の手を、狗巻君は自身の頭へと導いた。


頭が真っ白になった私は、なすがままにその寝グセをつまんで髪の毛束に流す。


あ、やっぱりサラサラだ、なんて思った。
余計なことを考える余裕はあるみたいだ。
私
な、なおりました
狗巻棘
狗巻棘
【ありがとう】
狗巻君は私からパッと手を離し、先程と変わらぬ様子で歩き出した。


…え、なんかもうちょっと恥じらいとかないんですか…??
もしかして慣れてらっしゃる?イケメンだもんね?お?お?


なんて考えていたのも束の間。


横に並んだ狗巻君の顔をチラッと見た時、偶然彼のサラサラヘアーから垣間見える耳が、

真っ赤に染まっていることに気づいた。


無論、それを見た私の顔も真っ赤になった。
私
なーんだ、狗巻君耳真っ赤じゃん
狗巻棘
狗巻棘
っ!?お、おかか!!!ツナツナ!!
慌てる狗巻君がおかしくて、思わず笑ってしまう。


最初はバツが悪そうにしていた狗巻君も、私につられたように笑いだした。


今日は朝から楽しい日だなと思った。

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