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第5話

飲み会(2.5)【良平・信彦side】
2,049
2019/03/24 20:06
【木村良平 side】
あなた

置いていかないで…

あなたちゃんは、泣きながらそう言った。
岡本信彦
岡本信彦
どうしたんだろう…?
木村良平
木村良平
寝言…だよな…?
あなた

怖い…

岡本信彦
岡本信彦
りょ、良平さん!あなたちゃん大丈夫なのかな…?
木村良平
木村良平
んー…。俺にもわからねぇ。
けど、あなたちゃんにとっては、ものすごく怖い夢を見てるんじゃないか?
あなたちゃんの震えはますます大きくなる一方だった。

それにしても、こんなあなたちゃんは初めて見た。
これはノブも同じだと思う。
いつも笑顔で頑張っているあなたちゃんに、こんな本性があったなんて…。
俺になにか出来ないかな…。

あっ、そうだ!あの手があった!

俺はあなたちゃんに近づいて、震えている右手を優しく包み込むように握りしめた。
木村良平
木村良平
大丈夫…。俺がいるから、大丈夫だよ。(小声)
あなた

…うん。

コレは、俺の母親が昔教えてくれた『魔法の呪文』。

っていうか、効果抜群じゃん!

するとあなたちゃんは泣くのをやめて、また深い眠りに落ちた。
よかった…。でも、どんな怖い夢を見てたんだろう…。
木村良平
木村良平
あなたちゃんもう大丈夫そうだし、戻るぞノブ!
岡本信彦
岡本信彦
は、はい…。










【岡本信彦 side】
あなた

置いていかないで…

あなたちゃん?
僕はすぐ振り返ると、そこには泣きながら震えるあなたちゃんがいた。
岡本信彦
岡本信彦
どうしたんだろう…?
僕は心配そうに良平さんに聞いた。
木村良平
木村良平
寝言…だよな…?
こんなあなたちゃん、見たことないよ…。

やっぱり、心配…。
あなた

怖い…

って、こんなこと言われたら、よけい心配になるっ…!
なんか嫌なことでもあったのかな…?
岡本信彦
岡本信彦
りょ、良平さん!あなたちゃん大丈夫なのかな…?
木村良平
木村良平
んー…。俺にもわからねぇ。
けど、あなたちゃんにとっては、ものすごく怖い夢を見てるんじゃないか?
そうだよね…。だからこんなに怖がっているんだよね…。
どうにかして助けてあげたい。…でも、どうしたらいいのかな?
すると良平さんがあなたちゃんに近づき、
優しく包み込むかのようにあなたちゃんの右手を握りしめた。
木村良平
木村良平
……、……、………。
あなた

…うん。

僕には良平さんがあなたちゃんに何を言ったのか分からなかった。
でも、胸が苦しくなった。
なんだ…これ…?






そう言えば、前にウィングが教えてくれたっけ…━━━━━━━━
あれは2ヶ月前。ある収録現場での事だ…
岡本信彦
岡本信彦
ウィング!
代永翼
代永翼
どうしたの?ノブ?
岡本信彦
岡本信彦
なんか、このシーンを音響監督さんに
「嫉妬した彼氏っぽくやってみて」
って言われたんだけど、僕、嫉妬がよく分からなくって…。
それで、ウィングだったら分かるかなぁ〜、って…思ったんだけど。
代永翼
代永翼
う~ん…。なんだろう…。
僕もあまり良く分からないけど、胸が苦しくなったりして、
彼女の隣にいる人とか、よく話しかけてくる人とかに、
イライラしたり、モヤモヤしちゃう感じかな?









確かに、ウィングの言う通り、なんかモヤモヤする。
コレってまさか…『嫉妬』?
木村良平
木村良平
あなたちゃんもう大丈夫そうだし、戻るぞノブ!
岡本信彦
岡本信彦
は、はい…。
嫉妬するって、こんなに辛いことなんだ…。


そうして僕と良平さんは、あなたちゃんの部屋を出た。

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