第4話

3話
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2020/01/06 14:40


『こ、これが……家ですか?』



私の目の前にある 家 と称されたこの建物はとても大きな屋敷だった。



そういえばこの辺は……



🗣 ねぇあの噂知ってる?



🗣 あ〜、知ってる 知ってる。あの屋敷の事でしょ?



” 夜になると見える大きな屋敷 ”



『これの事か……』



🐭「あ?なんか言ったか 人間」



『い、いえ!!何も!!』



🐭「…………入れ」



そう言ってあごをくいっとやるこの男。



いざ入ってみると、とても上品な感じが漂う内装で私が今まで入ってきた家という家の中で断トツであった。



🐭「お前の部屋はこっち、そんでなんか腹減ったなら……」



と、私に部屋案内をする男。



🐭「まぁ、こんなもんでいいだろ。」


一通り屋敷を1周すると、いきなり私の方に体を向けて


🐭「お前がここに住むにはひとつ条件がある」



と、いった。



『じ、条件?』



🐭「そうだ。お前が人間だからできる事だ……」



よく分からないことを発すとにやっとした男。



私の顔をまじまじと見ると




🐭「この世にはな、生と死の境目があるのを知ってるか?」



『え、あ、まぁ……』



🐭「それが今じゃ制御が効かなくてな、野放しになっている死んだ者、そして自分が死んだと気づいて居ないもの、色んなやつが蔓延る世の中になっちまったんだよ。」



🐭「つい83年前までは制御が効いていたんだが……」



『は、83?!』



🐭「あぁ、言ってなかったな。俺もうかれこれ500年以上生きてる人間なんだわ。そこんとこよろしく。」



『あ、え、、』



🐭「訳があってこの世にいる、、そんな人間だ。」



🐭「申し遅れたが、俺は みん ゆんぎ。」



🐭「お前は……」



『あなたです……あなた』



🐭「あぁ、あなただな。」



🐭「要するにあなた、お前に頼むことは、、死者と生存者を区別し冥土に送れるようにすることだ。」




『えと、、冥土?死者、、?ちょっと言ってる事がよく……』




🐭「物分りの悪いやつだ。まぁ、死者は他の人間とは少し風変わりな気を持つものが多い。だから、区別しやすいと思う。実際、お前は昔からそんな奴を見てるはずだ。」



🐭「お前の目はどこか……そうだな、簡単に言えば他と違うってことだ。」



🐭「だからそんな奴にはこれを。」



そう言って紙を渡された。



そこには【Going heaven】と書いてあった。



🐭「それ、天国行きの紙だ。でも、この世に強い気を残して逝った奴はそれを貰おうとしないだろうから、その話を……」




そう言って私を指さす ゆんぎさん。




🐭「お前が聞いてやる……これが俺のところで住まわせる条件だ。」


ぶっちゃけぶっ飛んだ話ではあるが、ここに居座らせて貰う人間がこれを承諾しないなど選択肢はないだろう。



『わ、分かりました、、やってみます。』



🐭「ふっ笑 それでいいんだ。」




🐭「今日は遅いから寝ろ。」



そう言って自分の部屋へと入っていったゆんぎさん。



私も指定された部屋へと入る。



窓がガラス張りになっているからわかる。




『今日は満月だ……』



とても綺麗な円形をした月がまるで私を飲み込むように光輝いている。



昔からなんだか満月を見ると少し胸が苦しくなったり、暖かくなったり、そんなことがよくある。



『よし、寝るかっ!!』




そう言ってベッドに入ると疲れのせいかすぐに寝てしまった。




next.






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