第6話

生誕記念、
529
2022/07/06 13:25
あなたside
剛
ん、はい
橘あなた
え、えんですか
剛
うん
橘あなた
うわ…ありがとうございます…
剛
礼二から預かっとるけどええわ
橘あなた
どこがええんですか
~~~~~~~~~~~~
哲夫
哲夫
あ、おったおった
橘あなた
おりましたおりました…あれ
哲夫
哲夫
うん
橘あなた
「うん」やなくて…
哲夫
哲夫
数珠数珠。
今のと合うん探してん
橘あなた
あかん。宝物増えた
哲夫
哲夫
~~~~~~~~~~~~
橘あなた
あ゛ぁん?
西野 亮廣
西野 亮廣
なんも言うてへんわ!
橘あなた
なんやなんや
西野 亮廣
西野 亮廣
どうせお前アクセサリーとか持ってないねやろ
橘あなた
ケッ
この後思いっきりしばかれたのは言うまでもないが、

案外みんな知ってくれているらしい。

~~~~~~~~~~~~~~



飲み会から家に帰って時計を見ると、11時をとうに回っていた。
どんだけ呑んでてんあの人ら。
眉をひそめていると、軽快な音でチャイムが鳴った。



橘 弘樹
飲み直そ!
橘あなた
…私に飲み直すっていう文化ないねんけど
橘 弘樹
ええやんええやん
私の話も聞かず、人の家へ半ば無理矢理入ってくるというのは、もう訴えていいのだろうか。
橘 弘樹
…なぁ
橘あなた
ん?
橘 弘樹
ベランダ行っていい?
コップを出しながら背中で返事をする。
外を眺めているヒロの横にコップを置く。
橘あなた
土佐鶴…
橘 弘樹
『古屋』の大将から
『古屋』とは、地元新居浜の焼き鳥屋。

結構行ってたのは確かだが、まさか日本酒を送ってくるとは思わない。


コップを合わせ、一口飲む。

前よりキツく感じず、日頃の飲み会の多さを思い知らされる。


橘 弘樹
私らさ、
橘あなた
うん
橘 弘樹
2日違いよな。誕生日
橘あなた
うん
ヒロが14日の正午。
私が16日、生まれたのは12時前だったが、産声を上げたのはちょうど深夜らしい。
なので家族内では、「あなたの誕生日は16日の深夜」ということになっている。は?

その話をしながら、ヒロがケロリと笑う。

橘 弘樹
似てへんなぁ(笑)


でも、似てないからこそ、ここまでやってこれた。




そう思っているのは、お互いだと思う。


橘 弘樹
あ゛ー、賞レースどうするー?
橘あなた
出んの?
橘 弘樹
一生やっていきたいやん、
橘あなた
M-1は?
橘 弘樹
もうええわぁ あれは
眉を下げて、力が抜けたようにヒロが言う。


頭の中にこびりついた出囃子とライトは、今でも体が緊張で強張る。


橘 弘樹
あなた
橘あなた
ん?
橘 弘樹
次、なにしたい?



完全燃焼。




M-1王者は、皆が優勝後に次の目標を失うらしい。

私らも、それは頭にあったが、多忙のせいで忘れていた。

しばらく考えて、躊躇しながら呟く。
橘あなた
…追っかけて、ええんかな



最初は、「後継者」言われて、自分らなんてむちゃむちゃおこがましいと思てた。今も思てるし。
本人も、迷惑やろうなと申し訳なかった。

でも、すごさを日に日に感じて、

遠い存在と思うのと同時に、


憧れが自分の中でどんどん大きくなっていった。
まだ足りん部分は山ほどあんねんけどさ、



やっと一歩、追いつけてん。


橘 弘樹
…ほんなら、
「NGKの新看板」やな
橘あなた
そん前に上方やろ
橘 弘樹
遠いなぁー(笑)




時計の針が、上へ向かって重なった。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

過ぎました。

申し訳ないです🙇

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