あなたside
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この後思いっきりしばかれたのは言うまでもないが、
案外みんな知ってくれているらしい。
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飲み会から家に帰って時計を見ると、11時をとうに回っていた。
どんだけ呑んでてんあの人ら。
眉をひそめていると、軽快な音でチャイムが鳴った。
私の話も聞かず、人の家へ半ば無理矢理入ってくるというのは、もう訴えていいのだろうか。
コップを出しながら背中で返事をする。
外を眺めているヒロの横にコップを置く。
『古屋』とは、地元新居浜の焼き鳥屋。
結構行ってたのは確かだが、まさか日本酒を送ってくるとは思わない。
コップを合わせ、一口飲む。
前よりキツく感じず、日頃の飲み会の多さを思い知らされる。
ヒロが14日の正午。
私が16日、生まれたのは12時前だったが、産声を上げたのはちょうど深夜らしい。
なので家族内では、「あなたの誕生日は16日の深夜」ということになっている。は?
その話をしながら、ヒロがケロリと笑う。
でも、似てないからこそ、ここまでやってこれた。
そう思っているのは、お互いだと思う。
眉を下げて、力が抜けたようにヒロが言う。
頭の中にこびりついた出囃子とライトは、今でも体が緊張で強張る。
完全燃焼。
M-1王者は、皆が優勝後に次の目標を失うらしい。
私らも、それは頭にあったが、多忙のせいで忘れていた。
しばらく考えて、躊躇しながら呟く。
最初は、「後継者」言われて、自分らなんてむちゃむちゃおこがましいと思てた。今も思てるし。
本人も、迷惑やろうなと申し訳なかった。
でも、すごさを日に日に感じて、
遠い存在と思うのと同時に、
憧れが自分の中でどんどん大きくなっていった。
まだ足りん部分は山ほどあんねんけどさ、
やっと一歩、追いつけてん。
時計の針が、上へ向かって重なった。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
過ぎました。
申し訳ないです🙇
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!