第8話

叫び
92
2018/08/16 02:12

「…これって…柑奈…だよな?」


マイクを片手に

すました表情でこちらを見つめる姿は

彼女の持ち前の華やかさを引き立てていた。



セイレーンの楽曲は

柑奈に合わせて作られたように

彼女の歌声を存分に生かしていながら

楽曲ごとに異なる雰囲気を纏っていた。


けれど、最近の音楽は

悲しい曲ではないのに

どこか苦しさを感じた。


なぜ、彼女の歌声は変わってしまったのか。







答えは出ないままその日は過ぎた。

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