第6話

猛暑
117
2018/08/15 04:49

朝焼け色に染まる横顔を

くしゃっと髪で隠して


「ちょ…そんなに見ないでよ」


と言われて顔がぶわっと熱をもつ


「あ…えと、ごめんっ」


慌てて視線をずらすと

柑奈はクスクスと笑いながら


「別に謝ることじゃないでしょ」


と言われ俺は曖昧な返事をしか出来なくて

謎の敗北感に似たものを感じていると

背後から話し声が聞こえてくる。


『あらっみてみて、可愛いカップルよ』

『まぁっ、日の出デートかしら?』

『ロマンチックねぇ〜』


なんて会話が聞こえてきて

今の状況を考えて余計にあつさを感じる。


「…俺たち周りからはそう見えてんの…?」


と柑奈の方を見れずにたずねる


「…そ……そうみたい…ですね」


ともごもごと返事が帰ってきて

さらになんとも言えない空気につつまれて

先に口を開いたのは柑奈だった


「わっ私!帰るね!?」


と、慌てて荷物をまとめた


「…おう」


「そっ…それじゃ!」


パタパタと走り去る後姿は

いつもとは違って見えて

目が離せなかった。



「夏って…こんなにあつかったっけ…?」

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