第54話

第一章 第29話「孤独の元凶と憎悪」
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2024/02/27 08:00
私は生まれてからずっと独りだった。
幼稚園の子も、孤児院の先生も、同級生も、学校の先生も、
誰も私を見てもくれない、道化を見るように笑って、
ほんの少しの期間友達を演じて、挙句裏切る。

裏切られる理由は分かってた、
私が皆みたいに普通の愛を平気で与えることが出来ないから、
私の思う愛と他の人の愛は違うんだろうなって。


皆にはさも当たり前のように愛してくれる親が居るけど、
私にはいない、親どころか愛してくれる人なんて誰も。

貰ったことない愛を人に与えるのは無謀なほど難しい、
だからそれでまた嫌われて、また人を愛せなくなって…
きっと負の連鎖なんだと思う。
???
??
うーん、どんな名前にしようかな〜!
私は"姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず"!
ついこの間、晴れて一人の女の子の母になりました!

うちの子夜泣きも少ないし笑顔可愛いし本当天使!!
早く振袖姿がみたいな〜、

こんな可愛いならどんな色でも似合うよね!
今から振袖用に貯金しておこう!


主人は仕事柄出張が多くて今はいないけど、
今日久々に帰ってくるらしいし
その前にある程度名前の候補を決めておかないとな〜
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
んーっと…花言葉とかで
名付ける場合もあるんだ…えっと確か…
私は本棚から花の図鑑を探し、手に取った。

勿体なくて捨てられなかったけど…
使いどころがあってよかった〜!
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
アイリス、エリカ、カスミソウ、キク…
うーん、聞いたことあるのは少ないかも、
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
そもそもお花について詳しくないんだよな〜、
主人に聞かないと…
私は図鑑をバタンと閉じて、
寝息を立てながら眠ってる私の赤ちゃんを見た。

やっぱうちの子天使!この銀河でいちばん可愛い!!
推しが尊すぎて死ねるっていう言葉あるけど
今ならその気持ち分かっちゃう!!
お父さん
ただいまーっと。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
あ、おかえりなさい!♪
リビングと玄関を繋ぐドアが開き、
主人がリビングに入ってきた。

リビングに入るなり赤ちゃんの方を見て、
私にも見せたことないほど幸せそうな笑顔を見せた。
お父さん
へえ、意外と小さいんだな。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
けど体重は2600グラムくらいだから
問題は無いってお医者様は言ってましたよ!
お父さん
そうか、体に問題がないなら良かった。
主人は赤ちゃんの頭を優しく撫で、
赤ちゃんは文字にならない可愛くて弱々しい言葉を出した。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
あ、そろそろミルク飲む時間かな、
作ってこないと!
私はキッチンの方に早歩きで向かい、
哺乳瓶とミルクの粉を手に取った。

ミルク作るの意外と時間かかるんだよなぁ…
まああの子はあんまり泣かないから助かってるんだけど、
夜中
お父さん
〜……〜〜。…〜?
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
ん…ぅ〜?
声がする。

眠たい目を擦りながら目覚まし時計を見ると、
まだ深夜の1時だった。

あの子じゃないし…主人?
けどこんな時間に電話なんて…

緊急の仕事とかみたいな話し方じゃないし…
どちらかと言うと楽しんでるような……
お父さん
まぁ〜、明日連れてくわ、海近くの公園で良かったろ?
遊ぶ約束?…でもここら辺は
海に近い公演なんて無かったはずだけど…

少なくとも複数の市を跨がないといけないし…
お父さん
瑞鈴?あいつはもう用済みだよ、
ガキ産むことしか出来ねぇんだからさ。
お父さん
早くに届けんだから追加料金寄越せよ〜、
ッはは、こんな商売やってんだからクソ野郎なのは知ってるっての。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
……は、?
私の名前?用済み?ガキ?追加料金?商売?

そういえば聞いたことがある、人身売買…だっけ、
人身売買は海とかで行われることが多いって……

逃げないと、じゃないとあの子の命が危ない…

私はどうなってもいいけど…あの子だけは……
あの子だって平等に幸せになる権利があるから…
あんな商売の良いようににされていいはずが無い…
逃げないと……

携帯も財布も家もおいて……あの子だけ…孤児院に入れよう、
孤児院ならきっと安全なはず…
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
……
私とあの子は今同じ部屋にいて、
主人は隣の主人用の寝室にいる。

警察も…証拠が無いから呼んだところで意味が無い…

お義母さん達の連絡先は知らないし
私の両親は二人とももう亡くなってる……
……ここは一階だし、私の自室の窓から出れる…

靴なんていい、この子のために…出来ることなら……
私は紙とペンをポケットに乱雑に入れ、
この子を大事に抱き抱えて外へ走り出した。


正直、私の無計画なところは変わってないなって思った。

そもそも孤児院ってどこにあるんだろう、
というか赤ちゃんも孤児院に入れるんだっけ?

無知なまま、私は目的も定めず一心不乱に走った、
後ろに戻る選択肢なんてなかったから。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
……ッはぁ…はぁ…
道中で見つけた掲示板、
そこに児童相談所のチラシが貼ってあった。

児童相談所には確か一時保護みたいなのがあった気がする…
だからそれに賭けて私はそこへ向かった。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
名前…名前……、
私はポケットにしまわれていた紙とペンを取りだして
自分の知ってる簡単な文字を書き連ねた。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
姫柊 花澄ひめらぎ かすみ」…由来はカスミソウ、
漢字はもっと良いのがあったかもしれないけど
私は漢字苦手だからな〜……
私は深呼吸を一度してから、花澄と最後のハグをした。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
どんなに苦難があっても、最後にはきっと
花澄を愛してくれる人が現れるよ。
_姫柊 瑞鈴@ひめらぎ みすず_
姫柊 瑞鈴ひめらぎ みすず
……幸せになってね、花澄。
_姫柊 花澄@ひめらぎ かすみ_
姫柊 花澄ひめらぎ かすみ
……うあ〜?
私は花澄を床に寝かせて、その場を立ち去った。

どこに行こうかなぁ、何も決めてないなぁ…
けど、今はいいや、花澄が幸せでいられれば…それで……






花澄side.
_姫柊 花澄@ひめらぎ かすみ_
姫柊 花澄ひめらぎ かすみ
……ッ
なに…今の……夢、?

夢にしては……既視感があるような…なんというか……
模写体
!!…おはようございます!花澄様…!

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