《Minhyuk Side》
「えぇー。」
何よりもダルい居残り。
まぁ俺がゲームしてたのが悪いんだけどね。
しかもなんでよりによってメガネくんとなの。
ほんと最悪。
「もう俺裏に絵描いて提出しよっかな〜。ねぇねぇメガネくん。何描けばいいと思う〜?」
「えっ」
興味本位で話したこととかないけどメガネくんに声を掛けてみた。
一人でいるほうが退屈だし。
そしたら 絵 って言われた。
「うん。絵。」
ん?そうじゃない。びっくりして"えっ"って言ったのか。
「あっ、いきなり話し掛けられてビックリした?wごめーんw」
そうやってちゃんと謝っても何も返してくれない。
これだから嫌いなんだよ陰キャは。
ちょっと頭に来て
「俺と話せるとか良い思いしたと思えよ?w」
って言っちゃった。まぁちょっと言いすぎたかもしんないけど、俺には関係ないし。
そう言ってもなんも反応してくれなくてちょっと寂しくなったからもっと積極的にグイグイ話しかけた。
「ねぇ、メガネくん、テスト全部書けたら見してね。俺わかんないからこういうの」
「…」
「…メガネくん?聞いてr」
何を言ってもまるで反応が無いから確認したらいきなり俺の顎を掴んできた。
「なっ、なに…」
「ヒョンウォン。」
「は、はぁ…?」
「俺の名前。」
力が強くてビックリした。なんでこんなことしてくるのか全く分からないし、ちょっと怖い。
「…離して」
「可愛いな、やっぱり」
「やめてよ…痛いしキモいよ…」
「…」
「さ、さっきからいきなり黙んのやめt」
必死になりそうなのを堪えてもがいてたら突然目の前が真っ暗になって唇が温かくなった。
そしたら口の中にヌルッとしたものが入ってきて
キスされてるんだって分かった。嫌で嫌で仕方なくてメガネくんを押してるつもりなのに全然動かない。だんだん俺の手にも力が入らなくなってきて頭がぼーっとしてくる。
きもちい…。
俺は女の子としかキスした事ないけどこんなにきもちいキスは初めてだった。
恥ずかしいけどやめたくなくなってきた頃にメガネくんが離れた。
「っ、はぁ、あんなに嫌がってたのに蕩けてんじゃん」
ボーッとしながら遠ざかったメガネくんを見ると、
いつも目のた辺りにかかってる前髪が崩れていて、隠れてた目が見えた。
一言で言うと
イケメン。
「ぇ…」
「テスト出来た。これ写して帰っていいよ。じゃ。」
「う、ん…」
「あと、この事は秘密な。」
俺は1人この教室に残された。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!