第3話

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2019/05/18 03:01
ボスの部屋の前まで着いた。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
通せ
呼ばれたんだよ
李都は、他の連中と違い、乱暴な言葉で見張りを退かせた。

中に入ると、机に向かっているボスがいる。

当然だ。
森 鴎外
森 鴎外
五十嵐くん、仕事お疲れ様
今回も上出来だよ
五十嵐 李都
五十嵐 李都
どーも......ん?
李都がボスこら視線を外すと、そこには見たくもない男が立っていた。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
げっ......なんでてめぇがここにいる
ぎっと目を鋭くして、相手を睨んだ。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
芥川......!
芥川 龍之介
芥川 龍之介
それはやつがれの台詞だ
なぜ、貴様がここに来た
五十嵐 李都
五十嵐 李都
あぁ?
さっきまで仕事してたんだよ、てめぇと違ってな!
芥川 龍之介
芥川 龍之介
やつがれが仕事をこなしていないと言うのか
森 鴎外
森 鴎外
おいおい
芥川と李都の喧嘩を、森が止めた。
森 鴎外
森 鴎外
今ここで喧嘩するのはやめないか
どうせなら、特訓ついでに喧嘩をしなさい
五十嵐 李都
五十嵐 李都
ボス、なんで俺がこいつに指導されるのか、未だにわかんねぇんだけど
李都は、芥川に指導されるときが一番嫌なのだ。

芥川は、李都の指導係として、何度も殺り合いをしている。

最も、結果はいつも引き分けにしかならない。

最後までやらせては、どちらかが必ず死ぬことになるからだ。
森 鴎外
森 鴎外
それよりも、五十嵐くん、この依頼を頼みたいのだけれど
そう言って、森が手渡しした書類には、『暗殺』と書かれていた。

依頼内容は珍しくはない。

だが、その人物が意外だった。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
国木田くにきだ 独歩どっぽ......
森 鴎外
森 鴎外
知っているかな?
最近話題の、武装探偵社の社員だよ
森は、気味悪く嗤った。

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