ボスの部屋の前まで着いた。
李都は、他の連中と違い、乱暴な言葉で見張りを退かせた。
中に入ると、机に向かっているボスがいる。
当然だ。
李都がボスこら視線を外すと、そこには見たくもない男が立っていた。
ぎっと目を鋭くして、相手を睨んだ。
芥川と李都の喧嘩を、森が止めた。
李都は、芥川に指導されるときが一番嫌なのだ。
芥川は、李都の指導係として、何度も殺り合いをしている。
最も、結果はいつも引き分けにしかならない。
最後までやらせては、どちらかが必ず死ぬことになるからだ。
そう言って、森が手渡しした書類には、『暗殺』と書かれていた。
依頼内容は珍しくはない。
だが、その人物が意外だった。
森は、気味悪く嗤った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。