李都は、ちらっと芥川を見た。
詳しくは知らないが、芥川はなぜか武装探偵社が嫌いだ。
嫌いというか、その中の誰かが嫌いなんだろうけど、李都は興味などない。
李都は、無愛想な顔をしている。
戦うときに最もめんどくさい相手が、堅物だった。
戦ってるときに説教くさいことを言い始める可能性もあるのだ。
だから、堅物は嫌いだ。
森は、そこで一旦言葉を切った。
なぜか、そこで声のトーンが低くなった。
森はいつもと違った雰囲気を醸し出している。
芥川の目が少し鋭くなったが、李都は気づいていない。
その言葉を聞き、李都は目を鋭くさせて言った。
強気な言葉を言い捨てると、部屋を出ていった。
森は、ふぅっとため息をつく。
芥川の小さく聞こえた舌打ちには、森は反応を示さなかった。
李都は、マフィアのような格好から、私服に着替えた。
まるで、本当にただの通行人みたいな格好だった。
李都は、あらかじめ武装探偵社を偵察していた。
だから、今の探偵社内の動きも把握している。
標的の国木田は、仲間と仕事に出掛けている。
その時を狙うのだ。
目の前に国木田と別の男が来た。
人目につかないところに入ると、李都はそこで接触する。
振り向いたのは、最近有名な人虎だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。