第4話

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2019/05/19 00:53
五十嵐 李都
五十嵐 李都
武装探偵社......
李都は、ちらっと芥川を見た。

詳しくは知らないが、芥川はなぜか武装探偵社が嫌いだ。

嫌いというか、その中の誰かが嫌いなんだろうけど、李都は興味などない。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
国木田独歩ってどんなやつ?
森 鴎外
森 鴎外
そうだね、簡単に言うなら堅物かな
五十嵐 李都
五十嵐 李都
堅物......めんどくさい
李都は、無愛想な顔をしている。

戦うときに最もめんどくさい相手が、堅物だった。

戦ってるときに説教くさいことを言い始める可能性もあるのだ。

だから、堅物は嫌いだ。
森 鴎外
森 鴎外
まぁ、そう言わないで
これは君に頼みたいことなんだ
あぁ、それとね......
森は、そこで一旦言葉を切った。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
......?
森 鴎外
森 鴎外
太宰という男とは、接触しない方がいい
なぜか、そこで声のトーンが低くなった。

森はいつもと違った雰囲気を醸し出している。

芥川の目が少し鋭くなったが、李都は気づいていない。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
なんで?
森 鴎外
森 鴎外
なんでも
君には無理だよ、あの男を倒すのは
五十嵐 李都
五十嵐 李都
俺が弱いって言うのか?
森 鴎外
森 鴎外
そうだね、そういうことになる
その言葉を聞き、李都は目を鋭くさせて言った。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
うるせぇ!
俺だって、やるときはやるんだよ
強気な言葉を言い捨てると、部屋を出ていった。

森は、ふぅっとため息をつく。
森 鴎外
森 鴎外
やる気を出してしまったね
まだまだ子どもだ
芥川 龍之介
芥川 龍之介
あの人は、やつがれが倒す
森 鴎外
森 鴎外
芥川くん、君には別件を頼みたい
芥川の小さく聞こえた舌打ちには、森は反応を示さなかった。








李都は、マフィアのような格好から、私服に着替えた。

まるで、本当にただの通行人みたいな格好だった。
李都は、あらかじめ武装探偵社を偵察していた。

だから、今の探偵社内の動きも把握している。

標的の国木田は、仲間と仕事に出掛けている。

その時を狙うのだ。
目の前に国木田と別の男が来た。

人目につかないところに入ると、李都はそこで接触する。
五十嵐 李都
五十嵐 李都
あの......すみません
中島 敦
中島 敦
はい?
振り向いたのは、最近有名な人虎だった。

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