それは、突然だった。
そんな言葉を浴びせられ、李都は行き場を無くした。
五十嵐 李都。
ポートマフィアの構成員であり、異能力者だ。
異能力_氷華を使い、あらゆる敵を倒してきた。
李都の世話係として、芥川 龍之介がついている。
だが、李都は芥川が大嫌いだった。
李都は昔、両親に家を追い出され、捨てられ、一人で道に倒れていた。
そんなところをこの人、ポートマフィア首相である、森 鴎外が助けたのだ。
それから、李都はポートマフィアの一人として何人も人を殺してきた。
部屋を出ていこうとする李都を、森は呼び止めた。
李都は、ドアノブに手をかけて振り返る。
「上手く行くわけない」
李都はそう溢し、部屋を出ていった。
李都に回ってきた次の仕事は簡単だった。
ある取引先と会い、口封じに皆殺しにしろ、という内容だ。
李都は、一通りの用意を済ませると、さっそく仕事をしに外へ出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。