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第17話

倉庫


口を塞がれ、連れてこられたのはある倉庫。


目隠しをされていたから

ここがどこなのかは分からない。



どんだけついてないの。私。






(おい)



さっきの声がして顔を上げると

そこにはやっぱり知らない人。



「あなたは、誰?」

(名乗るものでもねぇ)

「人を攫っておいて…目的は何?」



怖がることなく淡々と喋れていたことに

自分でもびっくりする。



(目的、そんなの…)




(チョンジョングクの人質に決まってんじゃん)



人質…

私にとってその言葉は

自分に浴びせられた初めての強制的身分で

衝撃しか受けることが出来ない。



(チョンジョングクがこの一日の間に来なければ)


(お前は死ぬ)



私はなんでこんなにも

不幸な出来事に見舞われるの。


何も悪いことしてないのに

なんで死なないといけないの。


まぁでも私が死んでも何も困ることは無いのか。

ジョングク先生も

目障りなのが消えていいだろうね。






でも、どこかで

少し期待している自分がいるのが悔しい。


目を隠される直前に

先生と目が合ったような気がしたから。

助けてくれるんじゃないかって。


そんな期待叶わないのかもしれないけど。




そう思ったその瞬間だった。










ガタン












倉庫のドアが乱雑に開く音がして

ドアの方を向くと



『はぁっ、はぁっ…』


「先生っ…」



息を切らして立っている先生がいた。



(ふっ、やっぱり来たか)



先生はなんで来たの?

助けに来てくれたの?


期待が叶った嬉しさと

疑問、不安が入り混じって

よく分からない気持ちなって

自然と涙が出てきてしまう。



『ったく、お前って生徒はっ…』



気付かないうちに先生が私の近くに来て

乱雑に抱き締めた。



「先生、なんで…?」

『そりゃぁ、お前の学級担任ですから』

「でも、私のことじゃまっ…」

『邪魔とは一言も言ってねぇ』



先生のその一言一言に胸がキュンとする。



『教師の俺を、生徒のお前が好きになって、恋愛関係なんて駄目だろ?』



そんなの分かってる。

分かっているからこそ辛いの。



「でも今、先生は私を抱き締めてくれてる」

『これは、教師として』

「分かってる。でも諦められないの」

『ほんとにいいの?』

「え?」

『お前のこれからの学生人生を無駄にするかもしれない。傷つけて嫌な思い出になるかもしれない。それでもいいの?』



確かに先生をこれから追い続ければ

この学生人生を無駄にして

嫌な思い出ばかり残るかも知れない。

それならソンウと付き合う方がいい。


でも



「私はそれでも先生が好き」



私は先生しか愛せないから。

先生を苦しい程、愛しているから。



『俺は辛いよ?思ってるよりずっと』

「先生がいい」

『ったく、困った生徒だ』



ジョングク先生はそう言うと

にこっと笑みを浮かべた。





(おいおい、俺の事忘れてねぇか?)

『あぁ忘れてた』

(いつまで経っても変わんねぇな)

『変わるつもりは無いからね』

(んじゃ殺らせてもらいますか)



男はそう言うと、銃を持ち

私たちの周りを仲間で囲んだ。



(悪かったな。お前らの描く未来は無いみたいだ)

『ふふっ、どうだか』

(死ね)



ジョングク先生はその男の声が聞こえると

私を囲んだ輪から突き出した。



その瞬間、銃声が倉庫内に鳴り響いた。